12 北山side ページ12
.
数学教師、29歳。
サッカーが好きな俺は、
とにかく教師になってでも生徒に指導したかった。
っていう安易な理由でめちゃくちゃ勉強して、
そこそこの大学受かって教員免許持って今がある
.
" .....うん、上げたい "
本気で成績上げたいかって質問に
そう答えた生徒、花咲A
自分ん家の隣がまさか生徒だなんて、
そんな偶然起こんのかって疑ってしまうぐらい
すごいと思う
数学の成績が見事に悪くて担任の藤ヶ谷に頼まれて
家に来て教えてる
もちろん周りとおなじ生徒と同じ対象なのは間違いない
.
ただ、こいつは他の生徒となんか違う
.
わかんねえ、けど、授業中には見せない、
家ん中だけの俺と二人でいるときだけに見せる笑顔が
なんとも言えないくらい俺の心をくすぐってる気がして
なんでだろうな、
どっかで見たことあんだよ、Aが笑ったときの顔
思い出せないけど誰かの面影と似てて。
.
そんなこんな考え事しながらシャーペンやらを
ペンケースに片付けてたら
『ここに来る前に家の前にいたの、先生...?』
.
...見られてたのか?愛利といるところ
愛利とは2年前に、
前の学校で一緒になって唯一同期だった
実のところ今は彼女なんだけど向こうがほぼ一方的で、
俺はもうあんまり恋愛感情とかなくなってんだ
だから近いうちに別れ告げなきゃって思ってんだけど
忙しいしあいつを悲しませたくないし、
時間があんまりなくて
だけどそんなこと生徒のこいつに言ったって
なんのメリットもないしなんか答えづらくて
吸う気分じゃないのにベランダ借りて煙草を吸った。
.
.
ー ガラガラ
「......A?」
.
机に伏せて顔だけ横向けてるってことは、
「寝てんのかよ」
.
...見ないつもりだった寝顔をやっぱり見てしまって
時間が止まったように感じた
...寝顔も可愛いんじゃん
.
って、んなこと誰にも言えねーけどな。
.
「俺じゃなかったらどーすんだよ、今頃襲われてるぞ?」
寝顔を見つめながらそう小さく呟いて
おやすみって言ったあと静かにAの部屋を後にした
.
623人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵里奈(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (2020年10月23日 17時) (レス) id: 0dbf2e6a14 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あかやま。 | 作成日時:2019年1月25日 23時