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捌 加筆 ページ9

『へえ!それじゃ、女中さんには頭が上がらないですね』

小さなひとくちを繰り返している。どんな状況でも食事中には話が弾むもの

そんな描写をどこかで見たか、てっきり女人禁制だと思い込んでいた屯所には

実は定期的に、決まった場所へ、食の女神たちが加護を与えにやってくるらしい。

昔は本当に女人禁制だったようだけど、当番制では上達するほどの練習量にはならず

「それにその、担当者の好みが強く反映されてしまって、時折…体調不良者が」

と。おそらく例のスペシャル丼かな、お気の毒に・・・。

なにはともあれそんな紆余曲折の末、現在の形に落ち着いたそうだ

『体は資本っていいますもんね。皆さんが健康でなきゃ、お江戸が困りますから』

ザキと言えばあんぱん・ミントン・カバディだし

少なくとも現代日本(どころか世界中)での大問題、運動不足にはとんと縁がなさそう

私なんてここ一年、学業に関係のない外出は覚えがないほどなのに!

体力仕事をしながら趣味も運動なんて考えられないな

「半分くらいは、じっとしているのが仕事…みたいなもので

仕事終わりには変に動き回りたくなるので、発散もかねたスポーツが趣味で、今朝も

そうだ今朝!……大丈夫でしたか、その、体調とか?」

思い出した山ほどの疑問を押しのける間

おや、これはトシさんからのストップがかかったかな

正体の分からない客人に対する、責任者として当然の警戒…そんなに重い話でもないか。

ただ、攘夷とも犯罪者とも言わないまでも、訳ありなのは疑いようもない事実で。

出会う人々から受ける異様なまでの待遇に改めて疑問符が浮かぶ

『おかげさまで。山崎さんが見つけてくれなければ、今頃ぽっくり、ってとこでしたから』

意識不明者の保護、それくらいなら治安維持の一環、か?

救急隊に任せなかったのは逃げ延びた被害者か情報提供者の可能性を見てとか

それにしたって今だけオトク!衣服に食事に記憶探しのお手伝いまで!なんで!?

暇なのか真選組!それともこの身柄がそんなに重大事案なのか!!?!

『…どちらにせよ魂の入れ替わりやら性転換なんかには敵わないか』

「その話、有名になっちゃってるんですね」

つぶやきを拾って「そりゃそうか」と息を吐く

失言に内心顔をしかめはしたけど、本人も納得の大騒動らしいから一応セーフ!


すっかり慣れた様子の苦労人は妖刀にカブトムシと幽霊を添えて

当事者だけに許された内緒の裏話を呆れ笑いながら話してくれた

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作者名:麻外谷 | 作成日時:2018年1月22日 23時

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