××2:Not a Dream ページ4
___良い夢を見ていた気がする。
…あぁ、確かだいすきな燐音さんに会ったんだっけ。我ながら都合の良い夢過ぎて笑ってしまうくらいには良い夢だな、と思いつつ、寝惚けてよく回らない頭を動かしていく。
出会った燐音さんはステージの上よりずっと優しくて、初対面で告白をしてきた私にも笑いかけてくれた。そして……頭を撫でてくれたんだっけ。やけに感触がリアルだなぁ、燐音さんの手ってこんな感じなんだ__
「っ!?」
目が覚めて、勢い良く飛び起きる。視界に広がるのは見慣れた自室ではなく、どこか解らないアパートの一室だった。ソファの上に丁寧に寝かせられている。いや冷静に考えてる場合じゃない。何処ここ、なんでこんな所にいるんだ…?燐音さんに頭を撫でられた衝撃でぶっ倒れたところまでは覚えている、いやこれは夢の話であって。
考えれば考えるほどよく解らなくなってくる。結局なんだ、誘拐か?私のこと攫っても得することないぞ。疑問符を撒き散らしながら呆然としている私に、休む暇など与えないかのように次の衝撃が襲いかかってきた。
「おね〜さん起きた?いや〜、急にぶっ倒れたからびっくりしたっしょ」
「ひぇぇ!?」
上から降ってきた、毎日聞いている燐音さんの声。言葉にならない声をあげながら上を向くとそこには燐音さんがいてひぇああぁぁあぁあ夢じゃなかった!?!?本物の燐音さんがえ、え、え???
めちゃくちゃに挙動不審な私を面白そうに見つめながら、燐音さんは私の隣にどかっと座った。
「ニキのアパート無理矢理こじ開けておね〜さん連れ込んじまったわ、きゃはは!」
完全に頭が追いついていない。推しとこんなに接触してしまって逆に大丈夫なのかな、今後一切燐音さんと会えなくなるとかない?……ん?
____ニキのアパート(ニキのアパート)???
「嘘でしょ…」
思わず声に出てしまった。そろそろCrazy:B担当の皆様に刺されてしまう気がする。推しとの過剰な接触は一周回って恐怖になる。覚えておこう。
「それで俺っちがおね〜さんに頼みたいことなんだけど」
「何ですかお金ですかいくらでも貸しますよそしてそのお金でギャンブルに勝って幸せになってください」
オタク特有の早口。燐音さんも「え??」みたいな呆気に取られた顔をしている。いそいそと財布を取り出した私を見て「いやストップストップ」と言って私の手を抑えた。お金でじゃないの?私のお金で幸せになりませんか??
「そうじゃなくて、おね〜さん____」
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←××1:suddenly
115人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:飴巴まひろ | 作成日時:2020年6月23日 10時