輝・4カラット ページ5
鏡の前で
髪を少量掬い上げ、指で絡める。
そのまま、流れるように指と指でくるりと回していく。
暫く同じことを繰り返していると
やがてツイストされた髪になっていく。
…そして、私がこの動作をするときは、大体が不安に煽られているときだ。
あぁ、とうとうこの時が来てしまったのかと。
正直、ミレイのお陰で近頃の警備はより厳重になり、
私に何も手出しをさせまいと
24時間ずっと誰かがついてくれていた。
だけど、いや、だからこそどうしたっていうんだ。
今回の
あの手紙の文字が頭にこびり付いて離れない。
やだなぁ。
そんなことを思っていると、
ミレイ「はい、これで着付けは終わりですよ。
開始時間までここで待機してくださいね。
何かご用意しますか?」
A『いいえ、黙って待っているわ。
始まるまで1時間もないでしょう。』
ミレイ「かしこまりました。それではお嬢様。時間になったらお呼びしますね。」 バタン
はぁ、
一応ここは、
私も、一人のお嬢様として招待されている立場だから、仕方なくお嬢様口調で話している。
正直に言おう、面倒臭い。
まぁでも、この姿をするのも悪くはない。
ワイン色をしたオフショルダーのマーメイドドレスに、
真っ赤なノンホールピアス。
それに、ダークオレンジのブランド物のハンドバッグ。
赤の宝石が嵌め込まれた指輪に、深紅に染まったハイヒール。
赤を基調としたものを身に纏っている私は、意外と目立つ。
自分で言うのもなんだが、身長が高いの他にもスタイルもそこそこなので余計だと思う。
というより。
そういえば、この宴に出席するということは…
もしかして………?
はぁーーー。 あ?
もしや⁉︎ ……と思ったが最後。
こういうときに限ってタイミングよく来るのだ。
ガッチャーン‼︎
バタン!
??『ヤッホー!!久しぶり!やっパこの部屋にいタかぁ、Aちゃんの匂いしたンだよネ!っテあれ!!なんカしょげてナい?大丈夫?』
ほら。
ま、いいか。
??『なんかあったのなラ、話聞くよ?? ちょっと?聞いてる〜?』
聞いてますん。
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作者名:水菜 | 作成日時:2022年2月11日 19時