【探偵チームKZ】KZの姫は知っている【アーヤ成り代わり】

#025　　↓Happy (?) Valentine & Birthday ページ26

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どれがいいかなぁ。

ここは近所のお菓子屋さん。バレンタインが近いのもあり、チョコレート売り場が大半を占めている。装飾はピンクとブラウン、完璧にバレンタインの雰囲気だ。



「……あぁもう、どんなのがいいだろ」



ビターなやつがいいかな。甘いもの、好きじゃなさそうだし。チョコレートというよりコーヒー寄りのお菓子……じゃあ駄目なのか??

…やっべ、分かんない…。


「んんー…」

「あ、彩ちゃんっ」



聞きなれた声に振り向けば、にこにこ笑顔の理恵ちゃんがいた。薄紫のダッフルコートに耳当て、ブーツと冬の装いる。



「理恵ちゃん、こんなとこで会えるなんて」



理恵ちゃんがわあっと笑顔になる。

とはいえ、ここはチョコレート売り場。しかも、明日から２月。あぁ、勘違いしないでね、私は恋する乙女じゃないよ……とはいえず。



「…理恵ちゃん、お買い物?」

「うん。お友だちにあげるチョコ…、彩ちゃんにも渡すつもりだったの」

「そうなのっ?!」



嘘、じゃあ私も渡さなきゃだよね。
幸い、お小遣いには余裕がある…。良かった、オッケーだ。買えるし、今渡せるし……



「クラス違うし、今買って渡しちゃっても、いい?」

「いいよっ。私もあげるね♪」



憧れていた友チョコとやらだ。しかも、相手は美少女。加えてチョコレートを手渡しとか。何それ何のご褒美なの。



「……じゃあ、はい、理恵ちゃん!」

「ありがと……じゃあこれ、」

「ありがとう!!」



なんて美味しそうなチョコレートだ。

口どけの良さそうなミルクチョコレート。バレンタイン仕様の箱を、軽くラッピングしてある。

あぁー、来て良かった〜。こっそり上杉くん宛のチョコも買えたし…
一人分しか買えてないから、二人の時、こっそーり渡した方がいいかな。



「ありがと!」

「……うん」



雪がしんしんと降っている。
…道路もつるつるだ。窓は結露しているし…。



「あ、私急がなきゃ…じゃあね、理恵ちゃん!!」

「う、うん…あ、彩ちゃ、」



すってーん。

……見事に転びました。
ああ、数秒前に、道路はつるっつる、って描写したばっかだろが私っ…( ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ、メタ発言は良くないか。←



「っいったぁー…」

「あ、コレ、落ちたよ?」



…レシートとお財布。
あぁいけない、拾ってもらっちゃった…。ドジしたなぁ、私も。



「……ありがとう、理恵ちゃん」

「…」

「理恵ちゃん?」

「じゃあ、さよなら」



ニコリと笑うと、理恵ちゃんは去っていく。
…じゃあねー、と私も手を降った。


あぁ、明日は上杉くんのハピバかぁ……


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