推 し た ち も 転 生 し て た【歌い手】

Prolog ページ2

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私には愛してくれる両親がいない。




楽しく話せる友達もいない。

いや別にただのぼっちというわけじゃなくて、学校に、行っていないだけである。





でも、可愛い弟は、真央は、私から離れないでくれた。




内心興味なんてさらさらなかったくせに


一緒に歌い手になってくれた。





不安で仕方なかった私を安心させてくれた。







ふたりぼっちだった私たちは


いつも一緒で

ふたりでひとりだって



まさに共依存みたいな感じだった。




でも…真央はリスナーができた今、私に依存する必要はない。






“私のことなんてどうでもいいんでしょ？”



純粋に私を慕ってくれる真央に

心の中で、面倒くさいメンヘラ彼女みたいに、そう問いかけるのも最近では少なくなかった。











リスナーちゃん達は、私が好きだと言ってくれた。


私の口が悪いけど優しいギャップが好きだと言ってくれた。


私もリスナーちゃんたちが大好きで、生放送とか、Twi○terなんかで話すのが楽しくて。



でも、結局は他人なんだ。



インターネットでつながって、リアルで話したこともない、電話もしない。







結局


そんな薄っぺらい関係。







“私がいなくなったところで、何も変わらないもんね？”






なんて……なんて、…ね。



















毎日毎日そんなことを考えて





生きるのが嫌で





でも、それよりも







そんなことしか考えられない自分自身が





嫌で嫌で堪らなかった。











でもね。




頭痛がしても、吐きそうになっても




私は歌い続けなきゃいけないの。


生きなきゃいけない。





だって、だって


真央が、私を少なからず慕ってくれるから。

リスナーちゃんたちが、私の歌に喜んでくれるから。









君たちを抜きにすりゃ、私の存在意義は無いに等しい。









だから、君たちだけが、ボク(・・)にとっての生き甲斐なんだ。







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