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「…お前達、何を騒いでる？」
「カリム…」
他の寮生が少し怯えた声を出す。
アジーム君はこの学園内じゃあ類稀なる善人なのにどうしてだろう。
「客を呼ぶなんて、オレは聞いてないぞ！」
「なんか怖そうなヤツが来た…」
「彼はとっても優しい人だから安心して」
人の話を聞いてないところが玉に瑕だけれど。
密かにそう呟き、当人を見た。
続く言葉はこれだろうなと勝手に憶測しながら。
「先に報告すれば…もっとスゲーご馳走と音楽隊を用意出来たのに〜！」
矢っ張りね、と心の中で溢し誰ともなしに笑いを溢す。
以前彼に教えてもらった自国のお出迎え方法が脳裏を過ぎる。
その大規模さに言葉を失う程だった。
私だったら萎縮してしまう。
「そんじゃ、これからよろしくな！」
彼は初めましてだと勘違いしており、バイパー君が直ぐに訂正を入れる。
入学式での出来事も忘れちゃうなんて。
あれ、でもついこの間大食堂で会った時は覚えてなかったっけ。
いきなり大きな声を出されて私の心臓が止まるところだったもん。
許せる心はとっても大事だと思うけれど、時と場合にもよる気がするの。
寛大とも言えようその懐の大きさが少しだけ心配だ。
自分のお尻を燃やした相手はちゃんと覚えておこうね、何かあったら大変だからね。
並べられたご飯に目を向け、美味しそうだと言うアジーム君。
彼ら二人のやり取りをぼんやり眺めた。
すると急に毒見という物騒な単語が耳に入り背筋に変な力が入る。
そんな涼しい顔で淡々と繰り広げられる内容でない気がするのは私だけなのだろうか。
「聞いただけで心臓が止まりそう」
昏睡状態に陥るまでの経験をしていたなんて。
幸い後遺症も無さそうだけれど、それ程の毒物を口にしたなんて一歩間違えたら本当に危なかった筈だ。
跡取りというだけで狙われて良い命なんて無いのに。
「つまりさっきのは毒味だったってことか！？」
「美味しそうに食べてたけど平気？」
バイパー君は絶対に毒を盛ったりしないからと笑っていますけれども、その話を聞いた後じゃ全く安心出来ないのです。
勿論、二人の信用が無いとかではなく。
「いいヤツに見せかけて今までで一番えげつねぇヤツらな気がしてきたんだゾ」
「私もそんな気がしてきたよ」
彼にとっては全てが善意だからね。
宴だと大騒ぎしているアジーム君に捕らえられたグリム君がそのお口に食べ物を詰め込まれている。
少し離れた所でその様子を見守った。
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りん(プロフ) - ふわなさん» ありがとうございま😭劇遅亀更新野郎ですが、頑張ります！！！！ (2021年11月16日 21時) (
レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - とっても面白い作品ですねヾ(≧▽≦*)o更新楽しみにしております！ (2021年11月16日 13時) (レス) @page34 id: 7054f2498a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます！！！！わかりにくかったかなーと思ってたので、嫉妬してるところ伝わって嬉しいです😂 (2021年11月13日 20時) (レス) id: 0e75b6d63c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)リドルくんの嫉妬とか可愛いです(●´▽`●) (2021年11月12日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 花束さん» ああああああ！お返事遅くなって申し訳ないです！ありがとうございます😭😭そう言ってもらえて凄く嬉しいです！更新、暫しお待ちを！！ (2021年10月15日 21時) (レス) id: 35357c875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月15日 18時
