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月日が経つのは思ったよりも早く、入学してからもう一年が過ぎようとしていた。

初めに向けられていた好奇の目も次第に少なくなり、今では比較的穏やかな生活が送れている。
どれもこれも、ハーツラビュルの寮長であるリドル君のお陰。

彼には本当に感謝しかない。

「A、そろそろ行くよ」
「あっ ちょっと待って」

扉がこんこんと軽めな音を鳴らしてから開く。
そこから覗くのは、まさしく話題に上がっていたリドル・ローズハートだった。

黒を基調とした式典服を身に纏い凛々しく立っている彼こそ、私の恩人であるのだ。

「今年の新入生はどんな子達だろうね」

私の問いかけにリドル君は小さく溜め息を吐いた。

あ、これは多分、厄介な新入生じゃないと良いなって思ってそう。


丁度一年前。
私達はこの学園に入学した。

当時周りにどんな反応をされたか昨日の事のように覚えてる。

それから色々あったけれど何とか辞めずに済んでるのは、私を一人の生徒として接してくれる人がきちんと存在したから。
馬鹿にしないで話しかけてくれたり、優しくしてくれる人が居ると分かったから。

実は物珍しくて見ていましたごめんなさいと後々言われた事も覚えてる。

どうやら彼らは私が女だから嫌な目を向けていたわけではなくて、ただ学園内に異性が居る事に混乱していただけらしい。

中にはそうでない人達だって居ましたけどね。

他に決め手となったのは、あの学園長とも仲良くなったからかな。

絶対に無理だと思ってたけど向こうがしつこかったから最終的に私が折れた。

「ふぁ〜」

大きな欠伸。
流石に気づかれてしまったようで、式典中は寝ないようにと注意される。

本来なら寝てる時間の筈なんだけどなぁ。

学園内で唯一の女子生徒だからって寮長でもないのに強制出席となったのだ。
「今の内に牽制しときましょう」と言う学園長の目が何故だかわくわくしてたのを、私は忘れてない。

両親があの人と知り合いじゃなければ此処に飛ばされる事も無かっただろうに。


女子で魔法も上手に扱えない。


だと言うのに家にまで来て学園の事を説明してきた。


お父さんもお母さんもすっかりあの人に唆され、提案を受け入れる姿を眺めてた。

窓越しだったから何の話をしていたのか詳しくは知らないのだけれど、学園長にとって都合の良い話を持ち掛けたんだと思ってる。

そんな仮面男は、今此処に居ない。

各寮長に好き勝手言われてるのをそれ見たことかと密かに嘲笑った。

内緒ね。

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りん(プロフ) - ラムさん» はじめまして!そう言っていただけると此方も凄く嬉しいです!ゆるゆる更新になってしまうかもしれませんが、頑張ります!ありがとうございます! (2020年9月27日 0時) (レス) id: 6f476b47f8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年9月26日 16時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りん | 作成日時:2020年8月27日 15時

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