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｢おはよ｣
まだチャイムの鳴っていない朝、教室へと足を踏み入れると物珍しいといった顔で東条に挨拶をされる。
おはようと返すとこの時間に珍しいなと一言。
｢そんな遅刻ばっかりじゃないから｣
そう言うといやいやいやいやと顔の前で手を振る東条を横目で睨む。
昨日はバイトもなくて、帰ってからはずっと勉強をしていた。
玄関から母親が帰ってきた音がしたけれど、鍵をかけている部屋には入ってこない。
そのまま早く寝ることができたおかけで、朝からちゃんと朝食も取ることができた。
といっても、パンをつまんだくらいだけど。
おはようと声をかけてくれた結衣に挨拶を返して、幼馴染トークを広げている横を通る。
｢あれ〜、A珍しいじゃん｣
席に着けば驚いたと言わんばかりにそう言った太田にこいつもか…と思いながら目を細めるとごめんごめんと笑われた。
この時間だと長井先生にも小言を言われないし楽かもしれない。
今日もバイトはないし、明日も早起きしてちゃんとしたご飯を作ろうかなと、少しだけウキウキしていた。
｢サッカーやめちゃうなんて思ってなかったけど｣
｢まあ…明智がやんないなら俺もやんないかなって｣
｢…飽きんじゃん？｣
けれど、珍しく早く登校したせいか、いらないことまで聞いてしまった気がする。
何でもないことのように言い放った明智を、反射的に見てしまう。
｢A？どうした？｣
その視線に気づいた結衣がそう聞いてくれてはっと我に返る。
連られて振り向いた明智とは目を合わせずに、てか水瀬って早起きできるんだななんて言い放った駒井にうるさいと返して、結衣にも何でもないよと首を振っておいた。
けれど話は流れてくれなくて。そういえば、と話し出した結衣が、｢Aもサッカー辞めちゃったよね｣と声にだす。
｢えっ、水瀬サッカーやってたの！？｣
｢……｣
驚く牛久保に、声が詰まった。
｢まじ！？｣と乗っかる駒井の声も聞こえた。
｢サッカー…｣と小さく呟けば、ぽつぽつと中学の記憶が溢れてきて、なんだかとても、急速に世界が色を失っていく気がした。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
