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4年前。
肩よりちょっとだけ下まで伸びた黒髪を2つに結び、初めてセーラー服に腕を通した入学式から少し経った頃。
桜が散り始めて、新しい中学校生活にも徐々に慣れてきたある日の事だった。
｢A、貴方部活に入ったの？｣
｢なに、｣
｢そんな事して、成績下がったらどうするの｣
｢…ちゃんと勉強もしてるから｣
｢部活なんかしてたって意味が無いって言ってるの。全くもう、お父さんみたいにはならないで頂戴｣
入学してすぐ、幼馴染に誘われて入ったサッカー部は、先輩達も温かく迎えてくれて、初めてでわからないことだらけのマネージャー業務を、怒らずに教えてくれる優しい人達に囲まれて、楽しかった。
きっと幼馴染から聞いたのだろう、部活に所属した事を話していなかった事がバレて、また母親の説教が始まる。
いつもの事だと聞き流して、勉強はちゃんと頑張るしと、心の中で悪態をついた。
それにしても、最近は父を引き合いに出すことが多いなと、ふと思う。
どうやら両親の仲はあまりよくないらしい。
大企業でバリバリに働く母からすると中小企業でそれとなく頑張る父が気に食わないのかもしれない。
元々躾には厳しかった母だけど、父が昔より定時で帰ってくることが多くなった最近は、一層口煩くなった気がする。
そんな事を考ていると漸くお説教タイムは終わったらしい。
｢私明日から出張だから｣
それだけ告げてバタバタと部屋へ向かった母を見てよし、と小さくガッツポーズをする。
母がいない日は息抜きができる日だ。
明日は久しぶりに帰ったら幼馴染の部屋へ遊びに行こうかな。
DVDでも観ながら、駄弁るのもいいかもしれない。
こんな時しか遊びに行けないもんな。
そう思ってさっそく誘いのメールを送ってみれば、すぐに待ってると返事が来た。適当に可愛いスタンプを送って、明日に備えて早く寝ようとうきうきする気持ちを抑えながら駆けるように自分のベッドへ向かった。
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ハル - すごく大好きです！更新も無理せずにゆっくりでいいので、楽しみにしてます！ (2019年6月16日 0時) (
レス) id: aceffff8a7 (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます!更新は遅いですけど読んでいただけると嬉しいです(^o^) (2019年6月12日 13時) (レス) id: 3cdd23f11d (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - すごくはまってしまいました！ 続きも楽しみにしています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なー | 作成日時：2019年6月2日 21時
