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10話 ページ40

『…じゃあ、本当にありがとう快斗、寺井さん。』



工藤邸まで送り届けてもらったAは、車を降り開いた窓越しにお礼を言った。いつもなら快斗の顔が見えるのに、小学生の身体では背伸びをしないと窓まで顔が届かない。快斗はそんな彼女の頭を一度だけポン、と優しく撫でた。


Aは再度手を振ると、開きっぱなしになっている大きな門扉をくぐろうとした。すると、後ろから彼女を止める声がかかる。振り向けば、真剣な顔をした快斗と目が合って一瞬どきりとした。いつもおちゃらけてる奴が急に真顔になれば、そうなるのも無理はない。


「オメーのこと、ぜってー誰にも言わねえから」

『…!』


その一言ですら、Aを安心させるには十分すぎた。快斗は本当に、良き友人である。


『…うん、ありがとう!』



彼女の面影を残した小さな小学生が、今度は元気よく手を振った。






快斗は彼女が工藤邸に入るのを見届けると、ふっと微笑みその場を後にしたのだった。







===

ガチャッ


『……新一?』


快斗と別れ工藤邸の書斎へと辿り着いたAは、おずおずと扉を開けて中に入った。するとすぐに、阿笠博士と小さな男の子が視界に飛び込んでくる。


男の子のほうは彼女に気づくと急いで駆け寄ってきた。



(わぁ、あれ新一?ちっさ…かわいい___)



「A…!」

『うわっ!』


Aがそう思ったのも束の間。新一は彼女に勢いよく飛び付きその身体をかき抱いた。小さくなった彼は幼い頃来ていた服を身にまとっていた。



「よ、かった……!!!生きててっ…本当に!」

『し、新一…』

「俺っ…お前がもしかしたらって…!」


新一は自分にトロピカルランドで起きた出来事がAにも起きてるのではと希望を抱いていたのだ。しかも彼女は彼にとってただの幼馴染ではない。まずは彼女の生存に心から安堵した。Aはそんな彼に応えるように、そっと小さな背に腕を回す。



『新一こそ、生きててよかった…。私、黒ずくめの奴等に薬を飲まされたんだけど、新一も?』

「あぁ……この体じゃ折角録音した取引内容も警察に信じてもらえねぇだろうし…」

『確かに…どうしよう』


黒ずくめの奴等を捕まえて、薬の詳細を突き止めなければならないというのに、肝心の奴等を捕まえるための手立てが彼らにはなかった。だからそれまでは、この小さな体と付き合っていくことになる。

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mリン(プロフ) - 宵夜さん» こんにちは、コメントとご指摘ありがとうございます!修正が上手く行ってなかったようです。教えてくださりありがとうございました。また何かありましたらコメント宜しくお願いいたします! (2022年3月20日 16時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
宵夜(プロフ) - とても面白くて良かったです!少し質問なんですが、ページ14の『(小さくなったあなたの仮名)』って目次ページで設定したものですか?変換されていないようでしたので一応報告と思い…不快であれば消して頂いても構いません。 (2022年3月11日 0時) (レス) @page14 id: 5d45bacd52 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - マナさん» 久しぶりにきたのでご返信が遅くなってしまい申し訳ありません。数年前の私が作成した拙い内容ですがそれでも宜しければどうぞ使ってやってください…!わざわざコメントありがとうございます! (2022年2月20日 14時) (レス) id: 535fdf8baa (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 私なりに作品を参考させてもらっていいですか? (2022年1月30日 8時) (レス) @page1 id: 25d45421cb (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!映画沿いもありますので是非ご覧ください。 (2019年5月22日 7時) (レス) id: 148773b33b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mリン | 作成日時:2017年4月21日 21時

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