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#17 ページ17



あのあと2人はちゃんと仲直りをした。
いや喧嘩していた訳ではないから、それは少し語弊がある。

でも元通りの関係に戻ったと思う。



それからみんなで帰りによくお見舞いに行くようになった。
木兎さんは毎日必ず行っているけれど。




この日はみんなで来ていた。

「Aいねーとさあ、全然部活面白くねえよぉ。な、赤葦」
「はい、そうですね」
「ほんとに思ってんのか赤葦ィ?」

俺は本気でそう思っていたから、木葉さんにつっこまれたのは少し心外だった。
……でも木兎さんと本気で同じようにそう思っているのも、少しまずいか、と我に返る。



いつもAさんのベットを囲んで、来ているみんながわちゃわちゃと好きに話す。
みんな部活にAさんがいないのを、必死で埋めようとしているようだった。

相変わらずAさんは楽しそうに聞いていた。

聞くだけ。

でもみんな構わず話し続けた。


「俺昨日さ____」
「あ、私この前ね____」

来る日も来る日も。

「____でさ、退院したら行こうぜ」
「今日学校でね、____」


でも、それがなぜなのか、俺にはわかる気がした。


Aさんは目に見えてわかるくらい、一日一日とやつれていった。

時おり、痛みに顔を歪めていたり、息を切らしていたり、落ち着きが無さそうだったり。


見るに堪えないくらい苦しそうだった。そんな日もあった。


本当に日を追うごとにAさんは消えてしまいそうなくらい、弱っているのがわかった。


それをつなぎとめるため。
Aさんをどこにも行かせまいと、みんなが守っているみたいだった。


そんな日々のいつかにした約束も、命綱のようなものだったと思う。




「お前がいつ来ても怒られないよーにちゃんとやってるぜ」
「そうなの?木葉」

Aさんはやっぱり楽しそうに少し微笑んでいた。

「おう、そーだ!な、木兎!」

「そーそー。あとちゃんと練習もしてる」
「お前それは当たり前だろ」


「いや、そうだけど、アレだよ。
いつでもAを春高に連れてけるよーにってな!」

「春高は年に1回ですよ、木兎さん。いつでもはないです」


「……ふふ、楽しみだなあ」

「楽しみにしとけ!ぜーってぇ春高連れてってやるからな!あと優勝!」



みんなで、約束した。
Aさんを春高に連れて行って、Aさんの前で優勝するって。




あれも、Aさんに生きていて欲しいから。

皆のそんな気持ちの表れ、だったと思う。




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Rikka(プロフ) - 瑠衣さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです(;_;)ありがとうございます!完結までお待ちください、! (4月11日 18時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 泣きました。涙が止まりませんでした。これからも頑張ってください。応援しています。 (4月10日 20時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rikka | 作成日時:2020年3月23日 22時

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