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「ほんで北は正論パンチやし、私は理不尽キックなんやて」
「それがなんや」

こんなことは、今まで誰にも言ったことがないどころか、自分の中でも押し込んできた感情だった。



「北はほんまに凄うて、ずっと尊敬してる。
ちょっとでも北みたいになれたらええな、思てやってきたけど、北はどんどん凄なっていくし」


言いながら、私ってなんでこんなアホなんやろうな、と思う。
こんなこと、北に言ったって仕方が無いのに。
でも、北なら助けてくれる気がした。


「名前も何もかも、全部、……全部反対や」


それが悔しくて、不甲斐なくて、だから、私なんか、

「……北の隣にはおれん」

だってプラスとマイナスは合わさったらゼロになる。



北は抱きしめていた私から体を離して、今度は、手を握った。



「ちゃう。対や。対やで」



じっと目を合わせられる。
北の圧が、目をそらすことを許さない。





「南があるから反対の北があるんやろ。
オトンとオカンは違う役割を持ってるから、2人でひとつなんやろ。
正論も、理不尽が無いとわからんもんやし」



北の言葉で心が満たされていくのがわかった。


「対、二つそろって一組になっているもの、や。覚えときや」



ほな帰るで、と鞄を持って立ち上がった北が背中を向けた。
背中越しにチラ、と見えた北の耳は真っ赤だった。


私はそんなに鈍くないから、今北が何を言いたかったのかはわかった。




私と北は、2人で、ひとつ。







たぶん今、私の顔も真っ赤だろう。

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なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - うびゃぁ…………今まで読んできた中で一番好きです… (2021年4月10日 16時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ちびさん» そう言ってもらえると嬉しいです^^お読みいただきコメントまで、本当にありがとうございます! (2020年6月5日 22時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - めっちゃ感動しました!!最高です( ; ; ) (2020年6月2日 20時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
Rikka(プロフ) - りるとさん» そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます^^ (2020年4月17日 8時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
りると - めちゃくちゃいい話でした!! (2020年4月15日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rikka | 作成日時:2020年3月18日 10時

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