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年が明けて、初詣に出かけている。
尾白と信介と約束していた時間の10分前に待ち合わせ場所に着いたのに、信介はもういた。
普段とは違う私服が相まって少しどきりとした。
「A、おはよう。はやいな」
「おはよ。信介に言われたないんやけど」
最近寒いなあとか、初夢見た？とか、昨日の夜はテレビ何見た？とかそんなことを話しながら尾白を待つ。
約束した時間の1分後に彼は来た。
「おい尾白1分遅いぞ」
「時間守りや、アラン」
「ｳｯ、ごめんて、1分くらい許してや……」
3人が揃って、人で溢れる神社に入った。
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「北と南は何願ったん？」
お参りをし終えて、帰路につきながら尾白が言った。
「あほか尾白。神様には感謝言うんやで」
「えっそうなん！？俺めちゃくちゃ願ってしもたわ」
「まあそうなる気持ちもわからんでもないけどな。Aは？」
信介が尾白のことを笑ったあと私に聞いた。
「私は、いつも見ててくれてありがとうございますーて言うて、そんで、
もうちょっとだけ皆と一緒におらしてくださいって」
願ってもてたわ、と笑ったのは私だけだった。
「お前なあ、……泣けること言うなや」
尾白に肩を叩かれる。
「だって高校入って今までずっとバレー部やってきて、もう終わるとか信じられへんやん」
「まあな」
「……高校生あっという間やったな」
「おい北までやめろや。まだ終わってへん」
俺らのバレーも高校生も終わってない、とまた尾白に叩かれる。
今日は双子の代わりに私たちにツッコミを入れているみたいだった。
「それで思い出したけど」
また尾白が話し出す。
「この前角名と双子が、北さんも南さんも高校生に見えへん、て言うとったな」
と尾白は笑っていた。
「どうせ歳とってるわアホ。てかあんたも大概よ」
アイツらの顔をうかべて暴言を吐く私とは裏腹に、信介は笑っていた。
「あでも侑に、北さんは南さんといる時はよう笑てはりますね、て言われたわ」
そして尾白は爆弾を落とした。
「あ、あと治にも、北さんて南さんといはる時は高校生に見えます、て言われたな」
2発目。
「う、ぅうっさい尾白！」
羞恥と喜びと悲しさが混ざる。
「ははは。そうか、そんな風に見えてたんか」
信介も、そんな風に笑ってるなよ。
嫌なら嫌って顔をしてほしいし、迷惑なら迷惑って言ってほしい。
笑うだけやなんて、ずるいわ。
そう思う代わりに私は、「もう何でもいいけど、春高勝つで」と2人の背中を強めに押した。
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なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - うびゃぁ…………今まで読んできた中で一番好きです… (2021年4月10日 16時) (
レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
依(プロフ) - ちびさん» そう言ってもらえると嬉しいです^^お読みいただきコメントまで、本当にありがとうございます！ (2020年6月5日 22時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - めっちゃ感動しました！！最高です（ ; ; ） (2020年6月2日 20時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
Rikka(プロフ) - りるとさん» そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます^^ (2020年4月17日 8時) (レス) id: 1c396819ac (このIDを非表示/違反報告)
りると - めちゃくちゃいい話でした！！ (2020年4月15日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rikka | 作成日時：2020年3月18日 10時
