銀魂王国の俺様王子と内気な姫

いざ、松陽先生の所へ！ ページ42

屋敷の中はいつもいるお城とは違い、質素で落ち着いたものだった

「私は隊員達に話があるのでA様は中でゆっくりしていて下さい」

伊東さんはそう言うと屋敷から出て真選組の隊員の方達と話し始めた







「A様、晋助様が急いでこちらに向かっているそうで合流できるかもしれません」

「本当ですか！

早く会いたい…


そう思いながら晋助さんが来るのを待っていた





「A様、馬車の準備ができました。お乗り下さい」

伊東さんはそう私に言った


「でも晋助さんがまだ… 合流してからではダメですか？」



「高杉様を待っていると予定が狂ってしまいます。さぁ早く馬車に乗って下さい」



そう言われてしまい馬車に乗り込んだ
外にいる隊員達も出発に向けて準備をしている




…しかし馬車は出発しない 不思議に思い外を見ると



(何これ…)



馬車は武器を持った黒い服の不気味な男達によって囲まれていた


「A様、貴方はもう高杉様とお会いする事はできませんよ」

「これはどういう事！」

馬車に近づいてきた伊東さんにそう問いかけるが返事はない

薄笑いをしながらこちらを見ている…



(どうして？)






するといきなり馬車が大きく揺れた


「きゃッ」


窓から外を見ると先程まで護衛をしていてくれた真選組の隊員達が馬車に襲いかかってくる

遠くからは月詠さんの声や他の人の声が聞こえるが何を言っているのかは聞き取れない


「助けて！」


馬車は黒い服の集団に乗っ取られ猛スピードで森の中へと入っていった



ーー

「Aの馬車が乗っ取られた？どういう事だ！」


馬車から降り血まみれの隊員達から話を聞く
Aの馬車にはちゃんと護衛をつけていた




それなのに…




「伊東です。彼奴が周りの人間を自分の仲間にしてA様を襲ったのです」

「その証拠にA様の馬車を取り囲んでいたのはかつての真選組の隊員達、馬車を襲ったのは伊東さんを支持する方ばかりでした」



まさかと言いながら近藤は驚いているがそんなの知った事か、

俺はAが奪われた怒りに飲み込まれていた





「馬を貸せ！」

馬を無理やり奪い取りAが連れていかれたという森の中へと駆けていく









「高杉様ァァァ！」

お待ちくださいと言う隊員達の声にも耳を傾けずただひたすら馬を走らせる



(この近くには確か…宝生夫人の別荘があったはずだ！)


「無事でいろよ！」


そう呟きながら急いでいった

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