治らないなんて希望を捨てないで【小説】

LOVE loneliness【鈴之宮若】 ページ9

目覚まし時計の鳴り響き目を覚ます。布団の上にはコントローラがある。今日の3時くらいまでゲームをやって知らぬ間に寝ていたのだ。まぁ、これは日常茶飯事である。若は日中部屋から出ることは滅多にない。本当に用事がある時のみだけ部屋から出る。ましてや誰かと遊ぶとかもしない。ただ一人で好きなように過ごしている。たまに祖父母からクロスワードパズルや知恵の輪やジグソーパズル、ワークドリル、ゲームソフトなどが届く。祖父母や兄のことは嫌いではない。学校には行っていない。

「キリのいいところまでやるか」

そう言いゲームを始める。ご飯を食べるのはまだまだ先の話だ。食べない日もあったりする。ここに来て結構経つ。というより結構古株の方だ。周りとはあまり話さない。話すこともないと思っているのだろう。

一人であれば傷つくことはない。ましてやめんどくさい人間関係に悩まされることもない。若にとってこの部屋は聖域と言っても過言ではない。因みにこの部屋には一度だけ家主がきた程度でそこからは誰も踏み入れさせていない。

若はまだ殻の中にいる







誰にも気づかれない









愛しいと思えるこの場所で









一人で笑っている(泣いている)。

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