橙に幼馴染がいるらしい【stpr】

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今日の職場はいつものサロンとは違うところ。

といっても系列のヘルプだけれども。


　『おはようございまぁーす』

　「おはよう、Aちゃん今日ありがとうね！」

　『全然！こっちも好きやから、気にせんとって！』


沙羅さんは微笑んで開店準備に取り掛かる。

彼は同い年で、元々はわたしがいるサロン「Lena」のスタッフだった。実力を認められて、系列という形で新しく「Leo」を開いた。

Lenaは「 明るい人になりますように 」
Leoは「 楽しい人生になりますように 」
そんな願いを込められている。


　『沙羅さーん。今日の予約は〜？』

沙 「今日はまだ1件だよ。あとから増えるかもねぇ」

　『ここ、当日予約が多いもんなぁ。』

沙 「そうなんだよ〜」


開店まであと30分。

鏡の汚れがないか、椅子にほこりはないか。

確認していると、扉が勢いよく開いた。


　「おはようございます！！！！」

沙 「おはよ、遅刻常習犯」

　『おはよ、ちーちゃん。』

　「えっ、いっちゃんがいる…！？」


入ってきたのは遅刻常習犯の ちーちゃん こと、近田恵ちゃん。

この子も元は Lena のスタッフだった。

近田、だからちーちゃん。市来、だからいっちゃん。
そう呼びあっている。


　『遅刻癖直ってないん？』

恵 「アラーム5分ごとにかけたのに…」

沙 「それで起きられないなら無理だろ ｗ」


そんなこんなで本日も美容院「Leo」オープンです。

女性のお客さんは当たり前、男性のお客さんも多く来るこのサロンは、いろんなことが出来るからやりがいを感じる。

Lenaは女性のお客さんばっかりだから。

休憩を挟みつつ仕事をしていると、気付けばもう15時。

オープンしてもう6時間なのか


沙 「いらっしゃいませ〜。ごめん、Aちゃん行ってもらっていい？」

　『はーい。
　…いらっしゃいませ、ご予約されてますか？』

　「あ、15時に予約した紅音です！」

　『少々お待ちくださいね〜…紅音莉玖様ですね』

　「はい！」

　『じゃあこちらどうぞ〜』


案内していろいろ用意していると、紅音さんがわたしをガン見していることに気付いた。


　『…わたしの顔に何か付いてます？』

紅 「え！？あー、俺ここよく来るんですけど…、お姉さん初めて見たなーって思って…？」

　『なるほど…』


液晶に映る予約表には、7回目と書かれていた。

なるほど、これは確かに不思議に思うだろうな

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