橙に幼馴染がいるらしい【stpr】

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『チッ、またかよ…』


非通知。

心底めんどくさい。

朝だよ？7時だよ？本当にめんどくさい。

これは誰かに相談した方がええやつなんかな


　「…いや、よくねぇ」


直人にはすとぷりがある

わたしが直人に頼って、すとぷりに迷惑かかるのは嫌だ。

だったらわたし1人でどうにかする。


　『…っし、今日も頑張るか』


気合い入れが終わったところで再び非通知


　『…、わたしは大丈夫、大丈夫…っ…』


そう思えば、突然インターホンが鳴る。

今度は何なの…、

頭を抱えたとき、LINEが鳴った。


直人あれ、もう家おらん?


なおと…、？

わたしは玄関先のモニターを確認すると、そこには直人が立っていた。

安心したわたしは扉を開いて、直人を迎え入れる。


　「おはよ、朝からごめんなぁ？ちょっと時間あったから寄ったんやけ、ど…」

　『…なおと、』


鍵を掛けた直人はわたしの家に上がって、2人でリビングに向かった。

いつもと違うことに気付いたのか、直人はわたしを抱き締めた。


　「…何があったかは聞かんよ。
　けど、1人で抱え込まんとってや…、幼馴染やろ…？」

　『…あり、がと…』


直人の温もりと言葉に救われる。

わたしは直人の腰に腕を回して、直人の鎖骨辺りに頭をぐりぐりと押し付ける。


　「いた、痛いて」

　『…なおと、今日は何すんの』

　「今日？
　今日は事務所行って…、グッズ会議して…。動画のストックはあるから、そのあとは時間あるなぁ」

　『…そっ、か…』


わたしの頭を撫でる直人。

ふと、大音量で着信音が聞こえた。











Side.J



どこからか着信音のような音が聞こえる。

取らんの、そう聞こうとしたけど出来なかった。

Aが震えていたから。


　「Aっ、」


声を掛けた途端、家の中に響くインターホン。

震えが止まらないA。

…これはあかんやつや、


　「A、大丈夫やで…、俺がおるよ」


今はAを安心させないと。


　『…なおと、迷惑だったら言って…』

　「どしたん？」

　『……わたし、今日仕事行けない、1人は嫌…直人と一緒にいたい…』

　「…一緒に事務所行く？」


そう聞くとAは俺の後ろに回している腕の力を強くした。

可愛いやつやなぁ、ほんと。


　「ほな行こか」

　『…ん、』


俺の可愛いAをこんな目に合わせたんは誰やろ

誰にしろ許さへんけどな

















？？

「怖がるAちゃんも可愛いなぁ…」


.

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