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「まぁまぁ、そこらへんでやめにしましょう。玲奈先生がかわいそうですから。ね?」
「はぁーい。」「デスネ!」

つまらなさそうに返事をした徳丸君と、聞き分けよく元気な返事をしたミンさん。くすくす笑っている夏梅さんと、好奇心たっぷりの目で見つめてくる比奈先生、なぜか温かい目で見守っている喜多見チーフ。そして、唯一止めに入ってくれた冬木先生。冬木先生だけが私の味方…

「けど玲奈先生のこと、もっと知りたいですね。仲間なんですから。」

じゃなかった。ここに味方いないの!?

「そうデス!みんな大事な仲間デス!」
「そうね。比奈先生も!」
「、、、はい!」

比奈先生が驚いたような表情をした。けど、その後元気よく返事をしていた。みんなが私の方を見てくる。その目に私は耐えきれなかった。

『少しずつ、お互いのことについて知っていきましょう。』
「「「「「「はい!!」」」」」」

皆の返事を聞いて私は身をひるがえしERカーがある方へ歩きだした。後ろでメンバーの喋る声を聴きつつ、全員の命を救えたことを改めてかみしめて喜びながら歩いていた。これからのMERとしての活動に若干の不安もあったが、それよりも喜びが大きかった。




「椎名、ちょっとこっち。」
『何ですか、医局長。』
「今からMERのとこ行くんだろ?」
『はい、ミーティングがあるので。』
「そうか、なぁお前MERに言ったのか?私はオペ出来ませんって。」
『まだ言ってませんけど。前回の出動では私がオペをしなければならない状況にはならなかったので
。』
「早めに言っとけよ?今回は良かったけど、次の出動でオペを頼まれるかもしれない。その時に私オペ出来ませんなんて言われたら、MERの皆さん、困っちゃうだろ?な?」

あなたが私にオペをさせてくれればいい話じゃないかなんて心の中で悪態をつく。まあ、自分がどれだけ訴えても結果は変わらないと分かったときから医局長に反論したことはないが。

『わかりました。いうタイミングがあれば、言っておきます。』
「あぁ、頼んだぞ?もしお前が治療ミスなんて犯したら俺が責任を問われるんだ。わかってるよな?」
『わかってます。では急ぐので。』

強制的に会話を終わらせて早歩きで医局から出る。朝から嫌に気分になったと溜息を吐きながら少し急ぎ足で詰所へ向かった。

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作者名:玲奈 | 作成日時:2021年10月2日 10時

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