【歌い手】悪女屋さんーEinsー

#9　◎1000hit越えありがとうございます！ ページ14

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ ﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ ｶﾁｯ


『.....んー』


スマホのアラームを止め、時刻を見る


『......7:15、か』


基本的にこの高校は8:15迄に登校すれば良いらしい


ちなみに家から高校までは30分


近いのか....遠いのか



『朝ごはん....食べなきゃ』


あらかじめ用意していたパンと昨日買った飲み物をテーブルに並べる


ついでに昨日の夕飯の残りをお弁当として詰める



『ターゲット四人、ヒロイン一人、偽名 柚川雅』


もぐもぐと口を動かしながら最終確認


確認し終わってすべての準備が終わったら姿見の前でクルリと1回転


この学校の夏服はセーラー服のような感じになっていて個人的に好みだ


時刻を見ると7:40


思ったより早く準備が出来た


『....忘れ物。』


一言そう呟いて目指した場所はとある部屋



キィと錆び付いた音をならしてドアを開ける


目の前にある装飾机の引き出しを開く


開けるとその引き出しの中にはただ一つ


真っ赤な石の嵌め込まれた指輪、とチェーン


指輪をチェーンに通し首にかける


そして、玄関にたち一言


『....見ててね』


ドアを開いて一言


『行ってくるであります！』


この瞬間から仕事が始まる


ここからは一つのミスも許されない



演じ通すのだ


"無気力だけどノリの良い転校生"


から


"裏を表してみんなに嫌われる悪女"


まで




何故か苦しくなって


『Ne m'oublie pas.』


と、呟いた






###
Ne m'oublie pas.
訳:フランス語で私を忘れないで

#10　◎お気に入り50人越えありがとうございます！→←#8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す