69話 ページ31
ほとんど見えなくなった森山さんを私は見つめる。
『好きです、森山さん』
森山「オレもだよ、Aちゃん」
『あっちに戻っても私の事忘れないでくださいね』
森山「絶対に忘れないさ。仮彼女だからな」
『か、彼女…』
森山「仮だけどな。でも、Aちゃんには俺本当に運命感じてる。可愛い子見つけても多分追わないと思う」
『そこは多分なんですね…汗』
森山「じゃあしないと約束しよう。Aちゃん悲しませる訳には行かないからな」
『分かりました。約束ですよ』
そういうと、私は小指を差し出す。
森山「あぁ、約束だ」
そう言うと、森山も小指を出し、指切りをする。
森山「借りたスマホ返すな。ありがとう」
『持ってていいですよ、余ってますし』
森山「わかった。お守りにしておくな…さて、そろそろお別れだな」
『そう、ですね…』
森山「そんな泣きそうな顔しないでくれ、オレまで泣きたくなる」
『泣いてないです…!泣きもしないです』
森山「いい子だ」
そう言って、わしゃわしゃと私の頭を撫でると、1歩下がる。
森山「あっちに戻ったら連絡出来るか試してみるな」
『もし無理でも、私は大丈夫です。森山さんのグッズで耐えますから』
森山「それだとオレが耐えれないな。Aちゃん不足になってしまう」
『なんか、やり取り出来るもの欲しいですね…』
森山「それは、あっちに戻ったら色々やってみる。…寂しくなるけど、限界だ」
ほぼ透明になった森山さんに、私は抱きつく。
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作者名:怜花 | 作成日時:2019年5月22日 10時