標的35 仲直りしようぜ−１ ページ46
麗羅視点
翌日。
ディーノさんに教えてもらい、あたしは今、ヴァリアーが入院している病院にやって来ていた。
ヴァリアーの隊員が見張りをしていたら、どうしよう。
そう思い、何時もの二割増しで心の武装をしていたのだが、どうやらそれは無駄だったみたい。
およそ暗殺部隊の幹部達が入院しているとは思えない程、極々普通の病院だった。
病室の前に辿り着き、深呼吸をする。
今、あたしはマントを着ていない。
着た方が良いだろうか……。
往生際の悪いあたしは、此処まで来てまだ、スクアーロさんと顔を合わせる事を畏れている。
扉にかけていた手を下ろそうとした時、中から「麗羅」と、あの濁声で呼ばれた。
スクアーロさんは暗殺者。
あたしの気配に、気が付けない筈が無かった。
「失礼します」一言言って、あたしは おずおずと中に入った。
上半身だけ上げてベッドに寝ているスクアーロさんと、目が合った。
じっと見据えられる。
｢久しぶりだなぁ、麗羅。
イタリアぶりだぜぇ｣
スクアーロさんが気さくに挨拶をした。
緊張で強張っていた肩から、ほんの少しだけ力が抜けた。
だけど、あたしは「久しぶりです」とは返せなかった。
スクアーロさんは本当に優しくて、紳士なんだと改めて思った。
だって、あたしの正体は、山本君から聞いて知っている筈なのに。
あたしが自分の口から言うのを、待ってくれている。
此処まで来て、まだあたしに逃げ道を容易してくれている。
もしあたしが「久しぶり」と返したら、きっとその様に接してくれるのだろう。
けれど、それでは駄目だと思う。
ちゃんと、あたしから言わなくちゃ。
山本君と約束したから。
仲直りするって。
有耶無耶にするのは、間違っていると思うから。
｢……こんにちは、スクアーロさん。昨日ぶりですね｣
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ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください！ (2019年7月2日 18時) (
レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみにしております！これからもどうぞ無理をしない程度に頑張って下さい。 (2019年4月27日 13時) (レス) id: 1e9e5f7638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2019年4月27日 10時
