第105話:潰えた希望 ページ7
«「え?ええけど…寝てるんちゃう?寝息が聞こえてんで」»
ミ)「寝てますね。ちょっと乱暴な起こし方ですが、起こすので問題なしです。」
〈ミムさんの声的にちょっと、じゃない感じが…
〈なんか怖いw
おっと、声に感情が滲み出てしまったらしい。
うちは気を取り直すために、1つ咳払いをする
ミ)「えーと、そんなわけで申し訳ございませんが、本日の配信はここまでです!事後報告はTwitterにて!!」
うちは早口でそれだけ言うと、配信を閉じ…天兄の太もも目掛けて上げていた足を振り下ろした。
天)「いぎあああ!!?」
美)「うるさい。起きろ」
もう冷静さも穏やかさも取り繕う必要が無くなったうちは、怒りと焦りを丸出しにして悶える天兄に対し、言い放つ。
?)「ちょっ?!なにしてん!」
恐らくうちがドアを蹴破った時から居たであろう、まふまふさん達は配信を切った途端、この部屋になだれ込んできた。
ただ、うちはその赤髪さん…関西弁の人だ……の言葉すら無視して、天兄の胸ぐらを掴む。
美)「おい、」
天)「ヒッ、み、美希!?な、なななんでここに。」
美)「説明は後でする。それより今から言う質問に答えろ」
天)「な、なんなりと…!」
胸ぐらを掴まれて膝立ち状態の天兄だったが、怯えているのか、コクコクと首を縦に振る
美)「姉ちゃんはここに来た?姉ちゃんから連絡は?姉ちゃんの居場所を知ってる?」
天)「え、愛希?ここには来てないと思うし、居場所もわかんない、連絡も…ないよ」
スマホを操作し、LINEやDMの通知を見せてくる天兄。
クラッとしたうちは正直倒れそうだったけど、最後の希望にかけて、まふまふさん達に視線をやる…が。
全員黙って首を振るばかり。
最後の希望すら無慈悲に打ち砕かれたのを理解した途端、うちの視界が暗転した。
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天月side
美)「ハァハァハァッ…!」
それは突然だった。
美希が、息の仕方を忘れたように息が荒くなり、美希の瞳はここではないどこかを見ているようになったのだ
反射的に僕は、後ろにいるまふ君達に叫んでいた。
天)「まふ!水持ってきて!さかたんは毛布!早く!!」
ま,坂)「わ、わかった!」
天)「美希、大丈夫だよ、大丈夫…大丈夫だから。」
美希がPTSDであることは知っていた。
でも、処置の方法を知らない僕は、安心させる事しかできない
美希は頑なに処置の方法を教えようとはしなかったからだ。
これ以上人に迷惑をかけたくないから、と。
その時の微笑みは、愛希にとてもよく似ていた。
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ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2022年8月26日 10時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほりはる | 作成日時:2022年4月11日 8時