百五十九歩目。 ページ10
―Aside―
影くんに心外なこと言われたけど気にしない。
だってお腹から？でてるみたいだし。すごい仲良いから親子ってより友達っぽいけど。
個性訓練の時に喧嘩してたのは面白かったなぁ。カラスくん激おこ。
光が弱点だけど、布かぶれば防げそう。
林間合宿の時に影くんが暴れたけど、とんでもなかったって緑くんが言ってたな。
『ねぇねぇ、影くん私だっこできる？』
「オウヨ！！」
「なっ、待てダークシャドウ！」
好奇心から影くんに抱えてもらうようお願いした。
だって、気にならん？感触とかさ。人間とは違うだろうし毛は生えてなさそうだし。
完全に唯一無二の存在なんだよね、影くんって。
一つ返事で両手を伸ばす影くんと制止するカラスくん。
まぁ、影くんは自分の意志で動けるからそのまま私を抱えてくれた。
子供がぬいぐるみ抱えるくらい簡単に持ち上げてくれた。力持ちだ。
温もりはない、ひんやりしてる。夏にはくっついてたいくらいの体温。
感触も固くないけど柔らかい訳でもない。不思議だなぁ。
影くんが抱き上げたまま揺らしたり回したりするから少し酔いそうだけど結構楽しい。
『おお〜！』
「遮止、痛みがあればすぐに言ってくれ。ダークシャドウ、慎重に扱え」
「ワカッテンヨ！」
『痛くないよー。影くん強いのに力加減ちゃんとできててえらいねぇ』
「あまり甘やかさないでくれ...」
『...ふむ』
カラスくんが私を気遣ってくれてるのは分かる。カラスくん紳士的なとこあるからね。
でも、頭をなでて褒めただけで甘やかしているってのは基準が低すぎる。
何故か。
それはカラスくんが甘やかされ慣れていないからではないだろうか。
つまりだ。カラスくんも甘やかせば公平になるし基準値も上がって影くんも褒めてもらえるというわけである。
インターン先は同じなのに期間がずれたし、Ａ組の中でも関わりがない方であるカラスくんと仲良くなるチャンス。
影くんに座ってるカラスくんの目の前に持って行ってもらうようお願いする。
地面に降ろしてもらってカラスくんと目線を合わせるようにしゃがむ。
「遮止？どうかしたか？」
『只今から触れ合いのお時間です！！』
「そ、そうか。......？？」
こういうのは勢いで押すんだよ！カラスくんも頷いたから許可も取れたね！
とりあえず猫を撫でるみたいに触れてみる。
ツンツンしてるとこも意外と柔らかい。
見た目どおりの羽毛ですね。猫にはないもふもふさがある。
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2023年3月30日 22時
