【マギ ジャーファル】毒使いの好物はみかん Second story

番外編3←長いですね 汗)by作者 ページ37

あの後、御婦人を送り届けた僕は、2人を国営商館にある一件のお店に連れて行った。
ここの雰囲気は静かで落ち着く。
木材で作られた壁や椅子、テーブルから木の香りがして好きだ。
前に何度か義父さん達と来て、店員とも仲良くなった。

「ここ何があるの〜？」

ウキウキとした顔で見つめてくるピスティに微笑み、『内緒』と言って唇に人差し指を当てた。

「お？Aじゃないか？久しいねぇ？お友達連れてきてくれたのかい？」

カウンターから茶色い髪を１つにまとめた女性が出てきて、手をひらひらとさせた。

『やぁっ！久しぶりだね？アレで頼むよ』

出口に近いテーブルに2人を座らせて、自分も腰掛けた。

「分かった分かった。すぐ持ってくるよ、で？お二人は何にするんだい？」

「え、えっと〜〜……………後で決めます」

「ちょっと悩ませて」

「？そうかい、ゆっくりして行きなよ〜」

『ありがとうタイトおばさん』

メニューを凝視して頭を抱える2人

『そんなに悩むの？』

「いや、どれも美味しそうなんだけど………」

「ちょっと値段が……これを奢ってもらうのは気が引け……」
『タイトおばさ〜〜ん！パパゴラスのフルーツソース添え２つ追加〜〜！』

「あいよ〜〜」

「「Aっ⁉/Aたん⁉」」

『いつまでも決めない2人が悪い』

注文したものは仕方ない。後は来るのを待つだけだ。

「はいよ〜〜Aはみかん畑スペシャルとお友達はパパゴラスのフルーツソース添えねぇ〜〜」

『ありがとう、いただきます！』

「えっえっ？Aたん本当にいいの⁉こんな高いの！」

『まだ気にしてたの？いいから早く食べて食べて、ほら』

「むぐっ」

フォークでパパゴラスを小さく切ってピスティの口に放り込んで、自分もみかんに手を伸ばす。

『美味しいでしょ？』

「あ、ありがとう……美味しい」

『なら良し！また来ようね』

「A、ありがとう。いただきます」

『うん』

この後は王宮に戻って、2人を部屋まで送り届け医務室に戻った。


『こんなものかな？』

服を選んでくれた2人に礼として、2人の仕事の半分を回してもらって、医務室の机で書類の整理をする。

現時刻は22時を回った頃だろう。瞼が重い。
つい最近までは夜中に活動していた為、昼間は寝ていたのだが、今は普通に昼間活動して夜は寝ている。

もう寝てしまおうと思い、自室に戻るべくドアを開けた。

『何してるの……ジャーファルさん』

僕は呆れた顔をした。

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