【マギ ジャーファル】毒使いの好物はみかん Second story

イヨカン ページ26

僕がここに来て2週間が経った。

「これで朝議を終了しますが、他に報告がある方は？」

『ハイハイ！』

「Aさん？どうぞ前へ」

ジャーファルさんに促され、皆を見渡せる机のところまで降りた。

ジャーファルさんが席に戻ったのを確認し、息を吸う。

『まずは、皆さんに感謝致します。僕がここにいることを許してくれて、本当にありがとう！』

姿勢を正し、頭を深く下げた。

ざわざわとしてくる会場だが、気にせずまた言葉を紡いだ。

『それと、ロハネ医務官長！僕を医務官においてくれてありがとうございます！これからは皆さんのサポートを全力でするつもりだ』

皆に向けて言うと、パチパチと1人から拍手が送られた。

「A！これからは頼んだぞ！」

次第に他からも王サマに続き拍手が送られた。

『ありがとう！じゃ！さっそく皆さんには僕の初仕事に協力してもらいたい』

「できる事ならなんでも仰って下さいAさん」

『ありがとうジャーファルさん！じゃあ貴方は今日から3日間仕事を休む事！』

「えっ……⁉Aさ…」
『王サマとシャルルカンはお酒1週間禁止』

「「え”っ」」

『ピスティは………栄養のあるもの食べて』

「それ絶対胸見て言ったでしょ！！」

『ヤムライハは寝て。隈が凄いから』

「うっ」

『後の人は大丈夫だからいつも通り仕事なさって下さい』

パンパンと手を叩くと、名前をあげた人以外が部屋を出て行った。
最後の人が出て行って、僕も出ようと思ったら、ガシッと腕を掴まれた。

「おいおいおいおいおい！A！ぐふっ⁉」

『あ、シャルルカンか。ごめんつい』

「テメェ……」

「Aさん？先程のは……説明願えますか？」

鳩尾を殴られ、悶えるシャルルカンの横で苦笑するジャーファルさん。他の人も顔色は最悪だ。

『え？だって協力してくれるって……』

コテッと首をかしげると、頰を染めてジャーファルさんと女子2人が黙った。

「頼むA！禁酒だけは勘弁してくれないか⁉」

懇願する王サマだが、この人の酒癖は相当なものと聴いた。

「A！俺もそれだけは！」

ここは1つ、この手で行くか？

『2人共ひどいよ……』

「「え”っ⁉」」

「あ〜〜！2人がAたん泣かした〜〜！」

「ちょっ、ピスティ！おいA⁉」

下を向いて、鼻をすすりとどめの一言で顔を上げる。

『僕は皆の事を思って言ったのに……』

「わ、悪かったなA？よし！禁酒頑張るぞ！」

『王サマほんと⁉(チョロい)』

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