アケビ ページ8
『主、シュネル……シンドバッドの首を取りに行って参ります』
「あぁ……」
家を出て屋根の上に飛び上がる。
夜、というか真夜中に僕等暗殺者は仕事をする。
『チッ……満月だったか…』
屋根の上を走り、次の屋根の上に渡ってを繰り返しながら星、月が瞬く天上を見上げ、小さく舌打ちを落とした。
主が僕を期待して待っていてくれてる。
あの人の期待を裏切る事だけは絶対にしたくない。
『……着いた』
王宮が見下ろすと、入口に2人の兵が立っていた。
「………ん?おい、何か変な匂いしないか…?」
「匂い……?…ぁ……」
「あ、おぃ……!寝る、な……」
そう言って、2人の兵はバタバタと倒れ、寝息を立て始めた。
僕は太腿に巻いていた試験管から睡眠薬を空中にぶちまけ、風魔法で匂いを流した。
『ごめんね……無実の人達』
主から無関係の人にはあまり手出しをするな。と教えられた。だから眠る2人を端に寄せ、走った。足音を立てずに。
キィ……
良し……とりあえず宮中に入る事は出来た。主の調べに寄ると、シンドバッドの部屋は確か紫獅塔という場所らしい……
『…………』
今僕はもの凄〜く呆れて驚いている。
えらく簡単にシンドバッドの部屋らしき…てかいかにも王がいそうな部屋の所に着いてしまった。
寝てるかな?
扉に耳をつけると、スゥスゥと安定感のある寝息が聞こえた。
そっと中に入って、片手に短剣を構える。
『良かったね。これで貴方も開放されるよ』
フッ!と短剣を首めがけて振り下ろす。
『!何っ!!??』
「残念だが、俺は何かに縛られてはいないし、死ぬ気もないな」
常人なら躱すどころか、見る事も出来ないであろう結構なスピードで下ろしたのにも関わらず、僕の手は止められた。
しかも手首を握られた。
『起きていたの、か!』
「おっ、と危ないなぁ」
握られた手首をそのままバネにして、シンドバッドに飛び蹴りをすると、ギリギリのところで躱された。
『チッ!』
赤くなった手首をさすりながら間合いを広げ、シンドバッドを睨む。
「何故俺を狙う……悪いが君から恨みを買った覚えはないぞ」
『僕はただ主の指示に従っているだけ……恨み何か(ちょっとしか)ないね』
昨日の事は許してないし、する気もない。だけど仕事に私情何て持ち込む訳に行かない。
『主が僕の全てだ、主の為なら何だってする……だから僕はあんたをこの闇から追放してあげる』
そう言ってまた、短剣を構える。
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Sunijy(プロフ) - ユフィさん» ありがとうございます!上手なコメント返しが出来たか解りませんが…これからも頑張ります! (2017年1月24日 19時) (レス) id: b917364329 (このIDを非表示/違反報告)
ユフィ(プロフ) - Sunijyさん» 採用ありがとうございます!そしてアラジンくんコメントありがとう(笑)これからも更新頑張ってください(≧∇≦)/ (2017年1月24日 19時) (レス) id: fb1a49826a (このIDを非表示/違反報告)
Sunijy(プロフ) - ユフィさん» コメントありがとうございます!ラズベリーを採用させていただきます。そんな貴女にはアラジンからのメッセージ!アラ「コメントありがとう!ユフィさん物知りなんだね!これで作者も続きが書けるよ!」 (2017年1月23日 16時) (レス) id: b917364329 (このIDを非表示/違反報告)
ユフィ(プロフ) - こんにちは!Sunijyさん!果物の名前ですが、ラズベリーやオレンジとかはどうですか? (2017年1月23日 16時) (レス) id: fb1a49826a (このIDを非表示/違反報告)
Sunijy(プロフ) - 月下さん» 採用はどんどんしていきますのでリク等もお願いします (2017年1月22日 21時) (レス) id: b917364329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月21日 20時