【マギ ジャーファル】毒使いの好物はみかん

ラズベリー ページ40

更新遅くなりました！！！！
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一方その頃ーー……

『つ、着いてしまった……』

市場から少し離れた所にある2階建ての家の前で立ち尽くす1人の女がいた。

※ここからAside

主は僕の話を聞いてくれるだろうか……？

『自分の家に入るのがこんなに憂鬱とは……』

スゥッと息を勢い良く吸う。

『ゴホッ……』

す、吸いすぎてむせた……
バカか僕は……
気を取り直して木製の扉を引いた……
中に入り1番奥の主の部屋に向かう。


『主……いる？』

部屋の前で立ち止まり控えめに声をかける。

「シュネルか？帰ったのか……入りなさい」

『はい……』

ゴクッと固唾をのんで、ドアノブを引いた。

「どうしたシュネル、浮かない顔をして……失敗か？」

『あのね、主……僕、シンドバッド殺せなかった……主の期待に、グスッ、応えられなかった……僕、僕……』

「落ち着けA……たった一回の失敗がなんだ！期待を裏切ったとか……人は完璧じゃないんだ。失敗なんて恐れててはいけない。だから泣くな……」

立ったまま袖で止まらない涙を拭っている僕に主は優しく微笑む。
その微笑みが今から崩れると思うと、胸の奥が苦しい。心臓が握られる思いがした。


「大丈夫か？」

『うん…あのね、義父さんにお願いがあるの……』

主の目をじっ、と見つめた。
僕の目の真剣さが伝わったのか、主も黙って次の言葉を待つ。

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