グアバ ページ34
『離してくれる?』
窓を開け放ち窓枠に乗ると、手首を掴まれた。
『あんたは殺せなかった……だから諦めて帰るだけ。あんたに降り掛かる火の粉はもうないんだよ?』
「行かせない」
『……ッ⁉』
「Aさん……もう、こんなことやめて下さい。貴女は本当は優しい筈です!だからシンに薬をくれた……気まぐれかもしれませんが……私はそう思うんです!
お願いです……行かないで下さい」
『止めて貴方達のなんになるの?貴方の主人は諦めたんだ、それでいいじゃないか?』
王サマの手を払い、蔑みの目を向けた。
眉を下げるジャーファルさんには少し、ほんの少しだけ罪悪感が出たけど、僕は帰らないといけない。
主が、”たった一人”で待っているんだ。
『僕を引き止めた所でどうにもならないよ?拷問もしない、殺しはやめろ、だが殺さない。意味が解らないんだよ……あんたは僕をどうしたいんだ?監視か?』
僕の疑問に答えたのは2人同時だった。
「貴女を闇から連れ出してあげたいです」
「お前を闇から連れ出してやりたい」
『闇……?ぷっ……はっはは〜‼』
「ふ、ふざけないで下さい!こっちは真剣に……」
『それはこっちの台詞だよ』
「⁉ど、どういう意味ですか?」
ー私に貴女の面倒見させなさい!ー
あんな言葉、やっぱり綺麗事だ……
『あそこは、主は、僕に生きる兆しを見せてくれた……導いてくれた……あんたには話した筈だよ?』
ジャーファルさんに指を指し、少し下がる。もう少しで外に出られる。
『僕の道を否定する、即ち主の教えを侮辱するに値する。僕の主を侮辱するなら……絶対許さない……』
そういうと、2人は黙って僕を見上げた。
「言葉が過ぎた事は謝ります。ですが、行かないで下さい。貴女の面倒は、私が見るって言ったじゃないですか……」
『僕なんかを側にいさせてどうする……』
「するしないじゃないんです!!!!」
『⁉』
瞬間、僕の身体に赤い紐が巻き付いた。
『何?また電撃でも打と……ッ⁉』
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Sunijy(プロフ) - ユフィさん» ありがとうございます!上手なコメント返しが出来たか解りませんが…これからも頑張ります! (2017年1月24日 19時) (レス) id: b917364329 (このIDを非表示/違反報告)
ユフィ(プロフ) - Sunijyさん» 採用ありがとうございます!そしてアラジンくんコメントありがとう(笑)これからも更新頑張ってください(≧∇≦)/ (2017年1月24日 19時) (レス) id: fb1a49826a (このIDを非表示/違反報告)
Sunijy(プロフ) - ユフィさん» コメントありがとうございます!ラズベリーを採用させていただきます。そんな貴女にはアラジンからのメッセージ!アラ「コメントありがとう!ユフィさん物知りなんだね!これで作者も続きが書けるよ!」 (2017年1月23日 16時) (レス) id: b917364329 (このIDを非表示/違反報告)
ユフィ(プロフ) - こんにちは!Sunijyさん!果物の名前ですが、ラズベリーやオレンジとかはどうですか? (2017年1月23日 16時) (レス) id: fb1a49826a (このIDを非表示/違反報告)
Sunijy(プロフ) - 月下さん» 採用はどんどんしていきますのでリク等もお願いします (2017年1月22日 21時) (レス) id: b917364329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月21日 20時