【マギ ジャーファル】毒使いの好物はみかん

プルーン ページ26

パチンッ、と離された頬を摩り睨む。

「余計な事は考えるな、そう教えた筈だ。だから気にするな。時期に慣れる」

「そ、そうだよA！ちょっと驚いたけど、私は兄弟が増えて嬉しいよ！」

『クレアさん、リアラさん……』

「A、君はもう俺等の家族なんだ。最初は戸惑うかもだけど、その時は頼りにしてくれていい……な？」

「A、俺についてきてくれるな？」

『ハイマさん……』

皆……優し過ぎるよ……

『いいの？僕は貴方達を利用してあいつを……』
「その辺は気にするところじゃないよ」
『えっ……？』

人差し指を立ててリキトさん。

「俺等は皆、自分の親に何らかの恨みを１つや２つ３つ持ってる」

一個多い⁉

「そうそう、私何て父親に貞操奪われるところだったんだから」

『⁉』

ニコニコして何言ってんのこの人⁉

「まぁ主が助けてくれたんだけど」

『よ、良かった……ってそんな話をしたいんじゃないんだよ。僕は……』

僕は、ただ迷惑をかけたくないだけなんだ……

ポンッ

『へ……？』

頭に置かれた掌に戸惑う。

『クレアさん……？』

「大丈夫だ、迷惑何て誰も思ってない」

「そうそう、私達も貴女の味方だから」

仲良くしましょう？
そう言って握手を求めてきたリアラさん。

『ぐっ……う、うん、うん！』

溢れる涙……

「よしよし」

リキトさんに撫でられる。

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