【マギ ジャーファル】毒使いの好物はみかん

ザクロ ページ25

『スゥ……スゥ……』

「何で僕がこんな事をぉ〜」

「何だおんぶくらいで、仕方ないだろ？我慢だ」

「たくっ………気持ち良さそうな顔して寝やがって……」

「あんまり騒ぐと起きるだろう？」

「はいはい……」





Aside

「…い、おい、起きろよ、A！」

『いひゃいいひゃい(痛い痛い)』

どうやら僕は椅子の上で爆睡していたらしく、クレアに頬をびーと引っ張られた。

「着いたのに全く起きないんだから、たくっガキが」

「そう言ってやるなクレア、子供は寝る時間だ」

「主は甘いんだよ」

『んぅ……ふぅあ〜〜』

目を開けると、優しく微笑むハイマさんと不満気満天に僕を見下ろすクレアの姿が。

『？着いたの？……ひゃっ！！？？』

二人に首を傾げて問うと、後ろから何かに包まれた。

「ヤァ〜もう〜かーわーいー‼」

『えっ⁉ちょ、やっ⁉』

「やめんかリアラ！」

ゴッ‼



「撫で回してごめんね？私はリアラよ〜」

こぶのある頭を摩りながら挨拶をされた。

『…………Aです。よろしくしないで下さい』

ハイマさんの後ろから顔を少し覗き、名前だけ言ってまた背中にへばりついた。

「酷い……」

「リアラ……クレアで懲りてなかったのか？」

「リキト〜〜」

床に手をついてあからさまに落ち込むリアラさんの後ろから男の人が現れた。

「リアラがごめんな？普段はいい奴なんだけど……」

膝を抱えて目線を合わせてくれた。兄弟がいたら兄みたいだ。

『……』ジ〜〜…

「えっと……名前は？俺はリキト、リキト・トゥルーだ」

『A！A・ルーン！』

さっきより大きい声で言うと、リキトさんはニコッと笑い頭を撫でた。

「Aか、よろしくな」

「流石リキトだな」

「主、この子どうしたの？」

僕の頬をツンツンしながら問うリキトさん

「今日からお前達の妹だ」

「えっ⁉主マジで言ってる⁉」

『⁉』

リキトさんは目を丸め、リアラさんは驚きの声をあげ、僕は突然の大声に肩を揺らした。

『……さ、い。』

ハイマさんの服を離して、数歩下がる。

「A？」

やっぱり、僕の問題に他人を巻き込みたくない。
断言された訳じゃないのに拒絶された気がした。

『ごめん、なさ……』
「おいA」
『？』

自分の服を握り締め俯くと、クレアさんの声が。

『な、っ⁉』

「ふざけるな」

顔を上げるとまた頬に痛みが走った。

『いひゃい！ちょ、いきなり何するんだ！』

プルーン→←番外編にっ！

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