【マギ ジャーファル】毒使いの好物はみかん

番外編にっ！ ページ24

コルクを玩具にセットして、狙いを指輪の入った箱に定める。

パンッ…………ポコ……

『………』

確かに当たったが、箱は全く動かない。

「お嬢ちゃん惜しかったねぇ！」

次のコルクを詰めていると、ニヤニヤとして満足気な顔をするおじさん。

「やっぱり無理だ……」
『大丈夫……』
「⁉」

不安に揺れる少年の頭を撫でた。
思った通り……あのおじさん、指輪、いや他の賞品にも何か細工して落ちない様にしてる……
幼気な子供の夢を馬鹿にし、お金を巻き上げる何て言語道断！そっちがその気なら僕だって！

『おじさん、本当に落ちたら貰っていいんだよね？』

「勿論！落ちたらの話だけどな」

『そ、良かった』

パンッ……

ビュン！………ドガーン！！！！……パラパラ……

『はい、全部落ちたから貰っていくよ？』

「お姉さん今のどうやったの‼」

『ふふん、僕は(自称)天才魔道士なのだ！』

「あ、あんた魔道士だったのか⁉」

凄〜い！と目を輝かせる少年に指輪を渡し、帰らせた。
ちょーと風魔法をコルクに仕込んだだけで、全ての賞品が落ちた。

「あ！あれは！」

『おじさん？男に二言はないよね？』

名残惜しいかのように走り去った少年に手を伸ばすおじさんの背後に回る。

「このっ！魔法使う何て卑怯だ‼」

キッ！と睨むおじさんの頰を叩いた。

ガッシャ〜ン！と自分の屋台に飛んだ。
いたた……と起き上がるおじさんを見下ろす。

『魔法使っちゃダメ何て聴いてない♪それに……』
「ひっ！」

『卑怯なのはお互い様だハゲオヤジ！！！！』

ピシャ〜ン‼

雷をおじさんの屋台に落とした。本人に落とさなかっただけマシだ。




『って事があったの〜』

「やり過ぎだ馬鹿！」

『あたっ！クレア酷い……』

拳骨は酷いよ〜。

「ニッコニコして帰ってきたかと思ったら……で？賞品は？指輪以外もとったんだろ？」

『その辺の子供に配って来た！』

「この馬鹿‼」

『あたっ！』

「少しは持って帰って来い！！！！」

その後あのオヤジは数々の悪事が国にバレて、国軍の兵に連行されたそうだと、主から聴いた。

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