【マギ ジャーファル】毒使いの好物はみかん

スモモ(プラム) ページ21

それから僕はハイマさんに全てを話した。

『ありがとう、聴いてくれて……ちょっと、スッキリした』

「それは良かった。それでAはこれからどうする気だ？」

試す様な、でも期待も混じった様な目で問う。
立ち上がり拳を力強く握る。

『決まってる。あいつを野放しにしていたら、今度は誰が狙われるか解らない』

もしかしたら他の女性から恨みを買って殺されてるかもしれない。でも誰かにやられるなら、自分で。

『この手でぶっ潰す』

そう言うと彼は1度目を見開いたと思ったら、ははは！と吹き出した。

『！！？？』

？を沢山浮かべる僕の頭に手を置く。

「いい目だな、良し、ならば俺が やりかたを教えてやる。大人しく帰る気はないんだろ？どうだ？俺にお前の面倒を見させてくれんか？」

ふっと立ち上がり手を伸ばす。

『いいの？ハイマさんも犯罪者になっちゃうんだよ？』

「俺が犯罪者になってしまうだって？ははは！そうだったな」

屈託のない笑顔を見せ、ふぅ、と息を吐いた。

「改めて自己紹介をしよう‼俺はハイマ！ハイマ・ドゥミッド！







暗殺集団 四重奏団(カルテット)の長だ！」

『な！！？？カ、カルテット？それに暗殺集団？』

そんなものがあったのか⁉しかもお、長⁉

「主、なぁに堂々と本名言ってんですか？」

『⁉』

僕の背後の木の影から、小柄な黒髪の男の子がガサッと音と共に現れた。
歳は僕より上に見える。

「おぉっクレアか！」

「おまけに僕のまで……」

はぁと溜息をつくクレアと呼ばれたこの人、左手が……

「クレアはな、家族の中で1人の魔道士でな。自分の子供だというのに恐れおののいた両親にやられた」

『！！？？』

ササッ、と左手を背に隠し、目を逸らされた。

「あんまり、見ないでくれる？僕可愛い子苦手何だ……」

『はっ？』

横顔をジ〜と見ると耳がほんのりピンクになっている。
え？何だ急に？照れるのか嫌がるかどっちかにしろよ⁉

「こいつはクレアだ、仕事中はショートと呼んでやれ」

『ショート？』

「マジで仲間にする気？僕等は四人で四重奏団(カルテット)だよ？」

「これからは5人だな。いいじゃないか、この子もお前と同じだろ？自己紹介しなさい」

「……はぁ、主には敵わないや、僕はクレア、クレア・レイズだ。ショートと呼んで欲しい。てか呼べ」

展開の早さについて行けなくて僕は目をパチパチさせていた。

「ほれ、手を出して」

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