第八十五話 伊達に鬼神してません ページ10
愛菜さんが着地した途端、その地面が割れ、愛菜さんは落ちて行った。
「全く馬鹿な姉を持ったわね、でももうお別れ、次は……貴方の番ね」
「………………………………」
愛菜さんは後で見付けて説教しますかね。多分無事でしょうから。
「私は落とし穴何かに落ちませんよ?まだ小細工はあるんですよね?」
「当たり前じゃない!まぁ此処に落としてもいいけど、それより、鬼灯様に言いたい事があるの」
気持ちの悪い不気味な笑顔のまま、彼女はこう言い放った。
「なんですか……」
「麦御様、可愛かったでしょ?何時もの彼女より一段と」
プツン……
私の中で何かが切れた。
「……………い…」
「はい?何て?……ぅぐっ⁉」
私は優香さんの顔を殴った。女子供には基本手をあげる事はないが、麦が関わっている為、一切の迷いは無かった。
「許さない……」
謝るなら阿鼻にしてやろうと思っていたが、向こうにその気は見られない。
「乙女の顔を殴る何て酷い人ね〜」
「⁉」
思わず目を見開いた。殴った瞬間は確かに頬に傷があったのに、綺麗サッパリ無くなっていた。
「あははは‼凄いでしょこれ!でも惚けてる暇……あるの?」
「っ⁉…ガハッ」
背後から何かが突っ込んで私の身体を吹っ飛ばした。空中で確認すると、丸太だった。
「わぁお、本当に当たっちゃう何て〜流石の鬼灯様も不意打ちは避けられなかっ……た?」
「えぇ、確かに避けられませんでしたが、丸太如きどうでもないですよ、貴女、鬼ナメてます?」
ツタごと丸太を引き千切り金棒を持っていない方の肩に担ぎ、振りかぶって投げた。
これまたマトモに喰らったのに傷はすぐにふさがった。
「やはり耐えますか。いいですね、私も鈍っていた所です。いい肩慣らしになりそうですね貴女」
「今のは頭に来るわね、鬼灯様こそ、優香の事ナメてるでしょ?」
「いい歳した大人の鬼が子狐にビビるとでも?」
そう煽ると、明らかに不機嫌な表情になった。
思いっ切り包丁を投げて来た。
だが所詮は子供が投げたもの。
私は中指と人差し指で挟んでとめた。
「なっ⁉んな馬鹿な⁉……な〜〜んって言うと思ったか‼」
「ほぉ……」
優香さんは新たな包丁を取り出し、切り掛かって来た。
金棒で受けとめる。
身長差がかなりある為向こうが押さえられているように見える。
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月7日 18時