第八十四話 罠 ページ9
鬼灯side
タタターーと登り、ズシャア〜!と急ブレーキを掛けた。
数秒して愛菜さんが追い着いた。
「はぁ、はぁ、つ、着いた」
肩で息を彼女を尻目に、前を見据える。
「あは!お姉ちゃん、来てくれたの?嬉しいなぁ〜」
そこには此方を向いてニッコリ笑う人が佇んでいた。
その笑顔には、麦の様な暖かさを全く感じられず、その辺の獄卒なら冷や汗をかいているだろう。
私は金棒を突き付けた
「貴女が優香さんですね?」
「あらあら鬼灯様まで、そうよ、私は優香。次期成宮院長ってところかしら?」
仮にも鬼神の私が来たというのに、余裕がある様子が見受けられる。
「そんな事はどうでもいいです。体型に比例して、精神にまで脂肪が着いているんですか?」
「随分酷い言い方してくれるじゃないの?貴方それでも官僚?」
片眉を上げて挑発してくる彼女に、思いっ切り金棒をぶん投げた。
「………………………(固」
愛菜さんが固まっているが気にしない。
「今日は休みなので関係ありませんよ。後、口の聞き方に気を付けなさい。ついでに礼儀も」
的がデカかった為、腹にクリティカルヒットした。ピクピク痙攣しながら倒れている彼女を起こす為手を伸ばす。
「まだ寝ていいと言ってま……っ⁉」
「鬼灯様⁉優香‼」
何かで手を刺された。サッと後ろに下がり傷を手ぬぐいで拭き取る。
「もう〜痛いじゃないのよ〜優香は野干何だから頑丈じゃないのよ〜」
ゆらりと立ち上がって彼女はまた笑う。
「優香‼鬼灯様に何て事を⁉鬼灯様大丈夫ですか?」
瞳を揺らし、心配する愛菜さんに平気です。と言ってまた、金棒を構える。
「思ったより深く入ったわ」
「鬼灯様の金棒をマトモに喰らって、痛いで済む筈がない!どうして⁉」
「ふふふ……知りたい?け〜どダメ〜教えてあげな〜い」
「あんた私達の事馬鹿にしてる?」
「オネエチャン?」
「このっ‼調子に乗り過ぎよ!」
叫ぶと同時に愛菜さんは彼女に飛び掛かる。
「愛菜さん!止まりなさい!」
「大丈夫です!……えっ…?」
「バイバイ オネエチャン」
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月7日 18時