言の葉未満season three (ページ38)

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第百十二話ページ38

ぼぉーーぼぉーー

「はぁ、ムッキムキになりたい……」

橋の手すりの上で2～3メートル程の笛を吹き、驚きの発言をした美男子は、今日のお相手だ。

『こんにちは～』

「ふぁ！ふぉほぉふきはま(鬼灯様)ふふひはま(麦御様)」

「会議でまた貴方をポスターにしたいという意見が出ましたので、ご協力お願いします」

鬼灯が言うと、義経公は橋から飛び降り、入口を指す。

「ここではなんですので、宜しければ中へどうぞ」

『お邪魔します』

署内に入って、木製の廊下を歩く。

「麦御様とちゃんと話すのは初めてですね？」

歩きながらふふっと微笑む義経公は、まるで少年のようだ。カッコいいというより可愛いに入る部類だろう。

『そうですね、先日はお世話になりました。本当にありがとうございました』

少々緊張もまだある為、ぎこちなくなってしまったが、なんとか笑顔を向ける事ができた。

「………あ！き、気にしないで下さい！皆さんの安全を守るのが私達の仕事ですので！」

「義経公……」

「ごめんなさい鬼灯様！なんでもございません！」

『？』

急に慌て出す義経公