言の葉未満season three (ページ33)

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第百七話有限会社朧車ページ33

「わんわんわん‼」

『こんにちはシロさん』

自分の尻尾を必死に追いかける桃太郎さんの元お供さんを見つけた。

「あ！鬼灯様に麦御様だ！何？デート？デート？」

「はい」

『違うからね？今から烏天狗警察に行くんですよ』

「へぇ～何しに行くの？免停？」

『地獄に車の免許はありませんよ』

頭を撫でてやると尻尾をブンブンと勢いよく振るシロさん。あぁ可愛い。

「車自体に自我があるので免許は必要ないんですよ」

へぇーと頷くシロさんを尻目に携帯で時間を確認する。

『鬼灯、時間が……』

そう言うと鬼灯も懐中時計をカチッと開けた。

「タクシーで行きますかね？」

『うん、じゃ……』
「ね！俺も行っていい⁉」

じゃあまた、って言おうと思ったのに遮られた。

『えっと～……』

どうしよう、いいのかな？

「いいですよ、行きましょうか」

「わーーい‼」

+×+×
短っ⁉