第百五話 麦御の午後 ページ31
14時
昼食を終えいざ記録課出勤!
『こんにちは〜!』
出勤してまずは皆さんににが〜いお茶とあま〜いお茶菓子を配り、午前中の疲れを取ってもらう。
「ありがとう、これ手作りですか?」
1つのお茶菓子を手に取り首を傾げる1人。
『お口に合いますか?』
「はい!とても美味しいですよ」
『ありがとうございます』
ふふっと笑うと向こうも頬を染め笑ってくれる。
地獄に就職してから笑顔を出す回数が明らかに増えたと思う。採用してくれた鬼灯と大王に感謝しなくては……
席に戻って再び筆を動かし出した獄卒を見届け、自分も重要書類と筆を持ち、もう1人の上司の隣に正座する。
「あ、お茶ありがとう麦さん。でも私は甘いものはあまり好きじゃないと……」
『またそんな事言う〜甘いお茶菓子があるから苦いお茶が美味しいんじゃないですか〜抹茶に煎餅とか合いませんよ』
「それならそれで私は別に構わん。それよりこの資料を整理してくれ」
仕事鬼め……
『解りました……』
「あの〜麦さん……ちょっと解らない所が……」
『ん?何処ですか?』
この若めな人は私より後に入課した新卒で、たまにちょくちょく尋ねてくる。
頼りにされてる感が味わえるのでちょっと嬉しい。
「ここなんですが……」
『あぁ、これは…………………』
『お疲れ様でした〜!また明日もよろしくお願いします!』
20時、定時を迎え、チラホラと皆が出て行き自分も身体をグッと伸ばして立ち上がる。
『葉鶏頭様、後で夜食持ってきますね』
「助かる、いつもありがとう麦さん」
『これくらいお安いですよ、でも無理は辞めて下さいね。鬼灯にカウンセラーさん呼ばれますから』
パタンッと扉を閉め自室を通りすぎる。
「あらぁ麦さんじゃない?また来たの?充分細いのにまだ痩せるの?」
『お香さん!いえ、鬼灯が力強いから隣にいても恥ずかしくないくらいの力をつけたくて……』
バランスボールに座ってダンベルを両手に持って上下していたらポニーテールのお香さんがうふふと笑みを浮かべて立っていた。
「あ、そうだこの私大浴場に行こうと思うんですけど、一緒にいかが?」
と、いうわけで閻魔殿の大浴場にやって来ました‼
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月7日 18時