第七十九話 告白 ページ4
母さんは私の腕の中で震えている為、何とか踏ん張っている父さんに話を聴いた。正直、話させない方が2人の為かもしれないと思ったけど……父さんは話してくれた。
まとめるとこうだ。
私が閻魔殿に就職した後……妹、優香は急に反抗しなくなった。
ある日、優香は漢方を教えて、としつこく父さんや院員に迫るようになった。
私が出て行く前、妹は学校の勉強、習い事であまり漢方を頭に入れる事が出来なかった。私も習い事をしながら時々教わっていたが、悲しい事に全く理解出来なかった……。
でも成績はいつもトップだった。
妹は好きな事や興味のある事はすぐに覚えるみたいで、漢方の吸収が速いのなんの。
終いには成宮院の漢方を熟知してしまい、遂には自分で研究し様々な薬を開発して行った。
その成長の速さに父さん達は驚きつつも喜んでいたようだが、その喜びは恐怖に変わって行ったそうだ
妹は新しく開発した薬の実験を学校の生徒や先生で行なっていた。それを知った父さん達は急いで解薬を作って呑ませて回った。その後優香は違う学校に転校させ、出来る限り監視をするようにした。
すると妹はその監視達を実験のマウスにして行き、遂に、私もその薬の餌食になった。
薬に支配されたまま私は閻魔殿に戻ってしまい、麦御様の心と体を傷付けた。あの時、麦御様が私を抱き締めてくれたおかげで、どういう訳か私は薬の支配から逃げる事が出来て、その反動で眠ってしまった
妹は実験を繰り返し、麦御様に呑ませた薬が完成してしまった。
ニュースか雑誌か知らないけど、妹は麦御様の情報を仕入れ、接触し呑ませた。
「うぅ……ヒック……」
信じたかった。血の繋がりが無くても、自分の妹がそんな事する筈はないと。
でも、その浅はかな考えは簡単に破られた。
「すみません……泣いてしまって」
涙が拭い、鬼灯様を見る。
「麦御様に薬を呑ませたたのは、間違いなく、私の妹、成宮 優香です」
じっと鬼灯様を見ると、いつもの無表情で私に問いた。
「愛菜さんは、これからどうするつもりですか?それとも、まだ自分のせいだと言いますか?」
「解りきった事を……無論。制裁を喰らわせてあげます。鬼灯様、どうかお力添えを」
「当たり前です。私達の役目は、犯人と証拠を見つける事です。言いたい事が解りますね?」
「優香は最近針山によく行くと、父さんから連絡されてます」
「行きますよ」
「はい!案内します!」
閻魔殿を鬼灯様と走り抜けた。
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月7日 18時