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第九十五話 ページ21

「遊び心と才能は認めますが、私をシュールレアリスムに取り込まないで下さい」

微妙な顔をする鬼灯の横から絵を覗く。

『どれどれ〜…おぉ〜!鬼灯がいっぱいいる……茄子さんこれいくらで売ってくれます?』

「え?」

「これ欲しいんですか?」

「はい!」

「タダでいいですよ!記念です!」

『ありがとうございます茄子さん!!!!』

ニコニコと絵を差し出してくれる茄子さんに一瞬抱きつき、絵を抱いた。

『ふふふ〜〜ん』

「麦姐さんのあんな緩んだ顔初めて見た」

「私もです。何でしょう、凄く複雑な感じがします」

「あはは、まぁ愛されてるって事じゃないですかね?」

「そうですかね、お三方は?」

「あ、ははは……」

「デッサン何てやった事ないから、室町時代の流行りで…」

「これはこれでいいですね」

2人が気まずそうに絵を見せる中、私は自分のをその辺に叩きつけ、割った。

「麦、ヘタでも気にしないですよ?」

もったいない。と言われたが、見せたくない。

「結構いいと思うけどなぁ〜、麦姐さんの」

『えっ⁉』

瞬足で組み立てられた!!!!何この子!!??恐ろしっ!

「………うん」

茄子さんに驚いて目を離した瞬間に皆に見られた。

「これは……」

「何だろう……」

「そう?特徴ちゃんと捉えてていいんじゃない?」

『うわぁ〜〜‼』

こうなると思ったから見せたくなかったのに!
微妙な顔をする皆の前から絵を取り、見えないように腕に抱く。

『鬼灯!ごめんなさい!』

読んだり書いたりは得意なのに、これだけは、絵だけは成長してくれなかった。

「構いませんよ、何もかも完璧な人何ていないんですから」

ポンポンと撫でてくれる鬼灯。
あぁもう涙出そうだ。

「そうそ!僕だって甘いもの嫌いだし」

麦、鬼灯「「私は貴方の事大嫌いです」」

「はもんな!!!!」

ワナワナと震える白澤様に茄子さんが提案をした。

「自画像ならいいんじゃない?」

「え?」


「はい!」

自信満々と見せて来たそれは、私には良く描けているように見えるけど、皆から見たら先程のものと変らないように見えるだろう。

「同じ……じゃねぇ〜か!!!!」

「裂けた!!??」

何をするかと思ったら、鬼灯は白澤様の絵を文字通り真っ二つに裂いた。
手痛く……ないだろうな。多分。

「今、自覚した……」

『?』

床に項垂れポツポツと言う。

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設定タグ:鬼灯の冷徹 , 鬼灯 , ほのぼの?   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月7日 18時

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