第九十二話 ページ18
「……？」
『大丈夫だから……』
振り向くと同時に抱き締められた。
『迷惑何て、私の方が沢山鬼灯に掛けてる』
「そんな！私は迷惑何て思ってません！」
頭を上げて言いたいが、麦の抱き締める力が強くて、上がらなかった……。仕方なく私は麦の胸の中で話す。
『鬼灯、今貴方が言った言葉そのまま返すよ』
「麦………」
身体と共に感情までも幼児化してしまったのか私は……。
呆れ、驚きを感じた。一筋だけ、涙がつたったのだから。
「ありがとうございました」
『どういたしまして！美味しかったね〜』
「はい…」
あの安心感は
今まで存在して来て、初めて感じる事が出来た
とても心地良かった。
母親の記憶何てないが……麦のおかげで、子供の気持ちが少しだけ、解った気がする。
「おかえり2人とも」
麦、鬼灯「「はい！」」
その後仕事をしていると、急に身体が光り出した。
カッ！！！！))
『眩しっ！』
「凄い！」
光りが収まり、浄玻璃の鏡で自分を確認すると元に戻っていた。
「戻った……」
『えぇ……もう戻っちゃった〜』
「何項垂れてんですか……」
呆れた目を向けた私に麦は、
『だって……』
”鬼灯可愛かった”と言う。
「……お世話掛けましたね」
頭を撫でて礼をすると、満足そうな顔して、
『うん！』
笑った。
「さて、大王、桃源郷行って来ます」
『私も行く！』
「解った……ほどほどにね？」
二つ返事をして閻魔殿を出た。
麦と手を繋いで。
『やっぱり今の鬼灯が1番だな』
「どう言う意味ですか？」
『小さいのは確かに可愛かったけど……』
チュ……
「えっ……？」
『小さい鬼灯にこんな事出来ないから』
悪戯な笑みを浮かべる。
ああ、何て愛おしいんだ。
可愛いのは麦、貴女ですよ。
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作者名：sunijy x他1人 | 作成日時：2016年12月7日 18時
