第八十九話 麦、鬼灯「「1話に入り切らないからって無駄なページ使うな」」 ページ15
「麦ちゃ〜〜ん‼」
『どっから湧いたんですか白澤様……』
「僕虫じゃないよ⁉ちゃんと入口から入ったからね⁉」
「貴方遂にボケましたか?極楽蜻蛉は虫でしょうが」
「黙れ一角鯨め」
「まぁた始まった……麦姐さん、ちょっと離れましょう」
『そう、ですね』
睨み合う2人を心配気に見詰め、麦御はお香の隣に落ち着いた。
「麦さん。今年もよろしくね」
2人の睨み合いを何とも思わずに、至って普通の挨拶をするお香に麦御は唖然とした。
『随分慣れてますねお香さん。流石です』
「ふふ、あの2人は会う度にあれだからね。すっかり慣れちゃったわ」
貴女も早く慣れるといいわね。と微笑むお香に、麦御もつられるように笑う。
『はい!お香さん今年もよろしくお願いします!』
「私達地獄の者からした一年何てすぐですよ」
床にうつ伏せになる白澤を踏みながら、鬼灯が言った。
『それでも、いいんだよ。一年よろしくお願いね?鬼灯』
ニコッと、笑う彼女に鬼灯は無表情のまま、こう言った。
「一年とは言わずに、私はずっと麦とよろしくしたいですがね」
全−鬼灯「「「「「「「「えっ⁉」」」」」」」」
「?皆さんどうしました?」
「まさかの無自覚…」
「鬼灯様やる〜」
「」←お香ですby作者
『鬼灯……今のは、えっと、どう受けとれば……』
そこまで言われて、鬼灯はやっと解った顔をした。
「プロポーズではないですよ?こんな皆がいる前でする訳ないでしょう?」
「じ、じゃあ2人なら……?」
「貴方に教える義理はない」
「こいつッ」
「あははは、皆、そろそろ仕事に掛かろうか?」
『そ、そう、ですね』
「………」
皆が散らばって帰る中、お香は麦に心配の眼差しを一瞬向け、自分の持ち場に向かった。
『……』
「麦、そんな悲しい顔しないで下さい、ちょっと耳を貸してくれますか?」
全く覇気の感じられない顔で、麦は髪を耳にかけ、鬼灯に向けた。
「ーーーーー」
『!!??』
「2人共どうしたの?」
「いいえ」
この日の麦御の筆の速さは尋常じゃなかったそうだ。
「鬼灯の馬鹿……////」
【もう少しだけの我慢ですよ】
「良かった……麦さん元気そう」
うふふと綺麗に笑い、お香は柱の影から去った。
+×+×+×+×
新年編終わり
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月7日 18時