第七十七話 漢方院 ページ2
鬼灯様の台詞だけ鬼「」だったので、鬼灯「」に変えます。
+×+×+×+×
「お話があります……愛菜さん」
柱の影にいた彼女は、何か決意したような目をして、私の前に出てきた。素直に出てきた事には驚いたが、特に表情には出さずに話す
「鬼灯様、私からもいいですか?恐らく貴方方に有力な情報かと」
「ほぉ……話して下さい」
腰の横で拳をグッと握り、しっかり私と目を合わせて彼女はこう言った。
「麦御様に変なものを飲ませたのは、私のせいなんです」
「⁉どういう事ですか?」
この人(鬼)は一度とならず二度までも私の大切な相手を……?まだ確信はないのに沸々と何かが込み上げて来る
「詳細を細く話しなさい。内容によっては鳥頭さんと同じようになりますよ」
「では、話します。
鬼灯様は成宮漢方院を知ってますか?」
成宮漢方院……
「確か100年程前に建築された所ですよね?」
烏天狗警察や朧車等の妖怪の治療を専門とした、1番地獄で評判になっていた大きな漢方院だが、今は怪しい薬の研究中とかで閉院中らしい。ギリギリ法律を破らずに研究するものだから烏天狗警察も手を出せないとか。
そう言うとコクッと彼女は頷く。
「確か、院長の娘さんが跡取りになるとか?」
「はい、その院長の娘2人いまして、1人は私、もう1人は私の妹なんです。跡取りは妹になってます」
「おかしな話ですね?普通は長女長男、もしくは婿養子が跡取りになるのでは?」
御家の事情って奴でしょうか?
「何にせよ、それがどうして麦に何かを飲ませた責任が貴女になるんですか?今の話から言えば貴女は成宮漢方院とはあまり関係がなさそうに思えます」
「確かに私は1人立ちして、家には殆ど帰っていません。跡取りになるのが嫌で、飛び出しました。その時からです。妹がおかしくなったのは……」
いつまでも話の先が見えず、私のイライラは募るばかり。
「っ⁉ガッ‼」
私は金棒で愛菜さんをなぎ倒し上から見下ろす。
「いい加減にしなさい。私は気が長い方ではないんです。麦は今、得体の知れないものに苦しまされているんです。貴女が自分のせいだと思うのなら、しっかり話して、しっかり責任を取りなさい。」
愛菜さんを立ち上がらせ目を合わせる。
「最も……”そんな事”麦が許さないと思いますがね」
「⁉どういう事ですか鬼灯様?」
「自分で考えて下さい」
そう言うと愛菜さんの目に涙が溜まり、落ちた。
「ありがとう…ございます」
「鬼の目にも涙とはこの事ですね」
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作者名:sunijy x他1人 | 作成日時:2016年12月7日 18時