第七十二話 ページ41
麦side
閻魔殿を出てのんびり天国に向かっていたら………
野干「くぅ〜〜ん、くぅ〜〜」
野干やしきものに遭遇した。
ちょっとふくよかだけど可愛い。
麦「おいでおいで、野干さん！遊びましょ〜」
しゃがんで両手を広げていうと、野干さんはビクッとして睨んでくる。
あれ？そう言えば、何でこの子は喋らないんだろ？地獄の動物は皆話せると思ってた。あ、でも虫の獄卒は話さないのが多いんだっけ？
まぁいいか←
麦「おいでおいで、怖くないよ〜」
気にせず続けて呼ぶ。野干さんは恐る恐ると言った感じで近くに来て、カリカリと器用に地面に何かを書き始めた。
麦「おー凄い凄い」
地面には”お名前は？”と描かれていた
答えてあげたいけど
麦「人(鬼)に名前を聞く時は自分からですよ？」
ルールはルールだ、動物だろうが知らない。
愛用の金棒を地面に突き立てる。
野干さんは一瞬私を睨み、またカリカリと地面に書き出した。
麦「なるほど……ユウさんと言うのですか、私は麦御です、宜しくね、野干さん？」
頭を撫で立ち上がると足に頬をすり寄せてきた。
麦「急に甘えん坊になるんですね〜可愛い。抱っこでもしますか？」
野干「コクコク」
麦「いいですよ、んしょ、と、初めて狐抱きましたよ、意外に重たいんですね？ってこらこら、爪を立てないで下さい」
思いっきり睨まれ、手の甲に爪を立てられた。まぁ動物につけられる傷は痛くないんたけど。
暫く愛でていたら、
麦「どうしたの？具合悪くなった？」
元気が無くなって腕の中でぐったりしだしたユウさん
麦「ちょっと、大丈…んぐっ！」
口を開いた瞬間、異物が入ってきて、余りの突然さに思わず飲み込んじゃった。
麦「っゲホ、もぅ、何を入れたん、ですか…っっぃたっ！」
怒りをこみ上げ咳き込みながら睨むと、脇下に入れていた手を噛まれた。痛みについ、手を離してしまい、ユウさんはそのまま逃げて行った。
麦「何だったんだろ……？あ、血出ちゃった…ついでに手当してもらえるかな？」
自分の袖からハンカチを取り出して止血し、極楽満月に不本意ながらも急いだ
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作者名：sunijy | 作成日時：2016年9月8日 22時
