第六十一話 寝不足 ページ30
鬼灯side
私が他部署に行っている間に大王は自室に戻って行ったと獄卒に聴いた
懐の懐中時計を開くともう日を跨ぐ頃だ
大王を制裁するのは明日にしよう。
早い所自室に戻って自分も眠りにつきたいが……まだまだ仕事が残っている
握っていたペンを置き、眠い頭に喝を入れる為頬をぱんぱん!と叩いてみる
麦「鬼灯……」
今から寝るのだろう。浴衣にストールを巻いた麦が立っていた
鬼「引かないで下さい、変なのは自覚してますから。それよりまだ起きていたんですか?肌が荒れてしまいますよ?」
冗談交じりに口を動かす
麦が思っているだろう事を言うと麦は豆鉄砲を喰らった様な顔をし、やがて私の目の前に来て先程叩いた頬に手を当てた。冷たくて気持ちいい、そういう些細や仕草にも胸が高鳴ってしまう、私もまだまだ青いですね
麦「別に引いたりしてないよ、痛そうだなって思って、私は少し小腹空いたから軽食でも食べようって思って今はその帰り、鬼灯は仕事?」
鬼「はい」
素直に頷くと麦が睨む様にじーーと見てくる。何ですか?と聞くと
麦「無理、してるでしょ」
半ば呆れながらそう言われた
顔に出てしまったのでしょうか?
鬼「大丈夫ですよ、いつもの事です」
麦「へぇいつも無理してたんだ〜^三^」
鬼「してまs(麦「ん?」…すみません、すぐ終わらせますk(麦「そういう問題じゃない」…すみません」
どうも麦には頭が上がらないというか、甘くなってしまう。惚れた弱味という奴か
もう一度すみませんと言うと麦は持っていた袋から何かを取り出してカサカサと開ける
麦「はい」
一口サイズのそれを私の口元に近づける麦に驚愕していると、早く口開けて、と急かされ口を開けるとコロッと入れられる
鬼「チョコレートですか?」
麦「うん!疲れてる時は甘いものが1番だよ。私も手伝うから仕事頂戴」
鬼「駄目です。貴女だって疲れてる筈ですよ、早く戻って寝て下さい。寝坊しても知りませんよ」
麦「寝坊何かしないから、それに鬼灯の方が疲れてるんだから」
偶には甘えてよ。そう言われ渋々書類を渡した
ー数十分後ー
カリカリとペンが走る音に意識が浮上していく
……………………………………………………
意識が浮上していく!!!!????
ガバッと起き上がるとこちらに気付いた麦がビクッとした
鬼「麦、私どの位寝てました?」
麦「……」スッ
鬼「目逸らさないで下さい」
麦「3時間」
予想外過ぎる言葉に思考が停止した
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作者名:sunijy | 作成日時:2016年9月8日 22時