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驚いた。
いや、驚いただけでは済まないかもしれない。
今 ベッドで寝ている あの子。
歳は…10代後半?
長い黒髪が特徴的な 神秘的な雰囲気の人だ。
ロイヤルブルー色の花がよく映える漆黒の髪。
目が奪われた。
綺麗な…星のよう。
いやいや、それよりも 重要なこと。
彼女には、ルフがない。
ここまで生きてきた…と言っても数十年だが、
初めてだ。
どんなに素晴らしい文献にも、
どれほど重く、厚い書物にも、載っていなかった事実。
魔導師だ…と言っていたが、ルフがないのに魔法を…?
あの時、言葉に詰まったのは そのせい、か。
多分彼女は知っていたのだろう。
自分が人と違うことを。
たぶん、彼女はこの世界の定理に当てはまらない存在。
ならば、彼女はどこで 生まれ、育ち、どのように生きてきたのだろうか?
ルフがないということは…?
……考えることは多かったが、その時の僕には何も分からなかったんだ。
とりあえず家に置いておけば 詳しく彼女の秘
密についても知ることが出来るだろう、
とりあえず、とりあえず、とりあえず…と、
選択を見送っていた。
…今 思うと 人生において最大の失敗だった。
…あの時、理解することができれば。
…彼女を、僕の大切な人を、守ることができたのだろうか…
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璃咲(プロフ) - ユナン最高です!更新頑張ってください(^^)応援してます♪ (2017年3月17日 1時) (レス) id: f65780a08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Scarlet | 作成日時:2015年10月30日 9時