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5話 ● ページ5






三郎が黙ると、医務室は時が止まったかのように静かになった。
時折廊下から笑い声が聞こえるから、時間は止まってはいなさそうだけど。




手持ちぶさたに医務室の薬品棚を見つめる。よく分からない草や液体がところ狭しとたくさん並んでいるが、得たいの知れない液体がこぼれた後があちらこちらにあり、それが親近感を抱かせた。




顔の形をした染みを眺めていると、三郎がポツリと呟いた。




「…何があったのか聞けよ」




薬品棚から視線をそらし、三郎に向ける。

独り言にしてははっきりと発せられたことから、私は自分に呟かれたのだと推測した。




「聞いてもいいの?」




未だ反対側の壁を向く三郎の表情は分からない。身動きひとつさえもしない。




「…駄目だ」




ふっと笑いを含んだような言い方をして、三郎はようやく寝返りを打った。くるりとこっちを向いた表情は、想定外に柔らかだった。





「何だそれ」




釣られて私も頬を緩ませれば、笑うなと言われる。




理不尽だと思うけれど、これこそ鉢屋三郎なのだ。

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こてつ(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです!😆頑張ります!! (11月26日 22時) (レス) id: 121a61ed72 (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ好きです!これからの更新も無理せずにがんばってください! (11月26日 22時) (レス) @page10 id: 9c68c0223b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こてつ | 作成日時:2023年1月5日 13時

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