あまく、にがく、はげしく。5 《 Snow Man 》

＊ ページ19

深澤side




俺がひかるの村に来て、その翌日。


…ひかる、なんか冷たくないって思ったんだけど。



「ひかるー、外連れてってよー」

「一人で行けば」

「…は、」

「…あーそれか他の人に連れてってもらいな」

「…なんで、」

「なに？」

「なんでそんなに冷たいわけ！？ 意味分かんないんだけど、もういい」

「…は？」

「もういいから！ 帰る、俺」

「待てって」

「触んないで！」



何に怒ってるか本当に分かんないし。

もういいもん、帰る。









.









＿＿＿＿

＿＿





岩本side





ふっかが言ってしまった後、やっと冷静になった俺は、そのことを蓮と康二に話した。



「ねー、」

mm「ん？」

「教えて欲しいことがあるんだけど、」

kj「なぁに？」

「蓮とか康二はさ、この辺がざわざわするときある？」



自分の胸辺りを触りながら言う。



mm「…それはどういうとき？」

「えー…なんか、ふっかが他の奴と話してるとき、とか」



仲良くしてるときとか、笑ってるときとか。



mm「…ひかるくん、それは 嫉妬 だね」

kj「せやな。しかも重度の」

mm「ひかるくんって意外と重いんだね。康二に似たかな？」

kj「いーや、蓮に似たんや」

mm「康二でしょ。だって俺がふっかさんのとこ可愛いって言ったら妬いてたじゃん」

kj「あれは普通に妬くやろ」

mm「嫉妬しいなんだよね、はいはい認めな」

kj「はぁ？ もー俺今日からしょったの家行こ」

mm「は？ダメだよ、何言ってんの」

kj「ふん！」



やいやい言い合いが始まった仲のいいうちの夫婦からそっと離れて、

俺はある場所へ向かう。


俺が冷たくしてしまったこと、その原因も含め、

謝った上で俺はふっかのことが大好きだということを伝えなきゃいけない。




…俺は船に乗り込み、再び鬼ヶ島へ向かった。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す