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乱れた前髪をかきあげると若々しかった明日美が一気に老け込んでしまったように見えた。弾けるような若々しさは鳴りを潜め、濃いクマに縁どられたまぶたは落ち込んでいる。
どれだけ心配をかけたのかと思ったら胸が痛む。彼女には何の落ち度もないのだ。被害者でしかない。こんな男でごめんね、と聞こえていない明日美に囁く。
「こんな、ろくでもない男でごめん」
幸せにしてあげたいと思っていた。それは嘘じゃなかった。優希に笑顔を取り戻してくれた彼女を、大事にしていこうと思っていたのに。
禄朗は逃げられない麻薬のようなものだ。魅せられて一度触れてしまったら逃れることはできない。そしてその深みに望んではまり込んでいくのは優希の意思だった。
ベッドから抜け出るとひっそりとしたリビングへと足を忍ばせた。隅々まで綺麗に片付けられた清潔な部屋に、もう自分の居場所はないのだ。今の優希からは遠く離れた世界に代わってしまった。
カーテンを開けると遠くがほんのりと色づき始めている。新しい一日が始まろうとしていた。ふいにポケットの中にしまっていた端末がメールの着信を告げた。
「……」
見ると禄朗からで、『早くお前に触れたい』とたった一言。
「……今更マメかよ」
欲しいと思っていたころは一度も連絡もよこさなかったくせに。散々抱き合ったあとで施される勝手に、小さな笑みが漏れる。
__好きだよ。
もう二度と口に出せないと思っていた気持ちが胸の奥から湧き上がる。早く会いたいのは優希も同じだった。
端末を唇に当て、禄朗と初めて出会った時のことを思い出していく。
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モノモノ(プロフ) - 花奏さん» 普通に続きますよ。この後も悲劇の連続なので、書くのが苦しいです(>_<)でも頑張って続き書いていくので、よろしくお願いします! (2021年4月12日 7時) (レス) id: 995658f693 (このIDを非表示/違反報告)
花奏(プロフ) - これ続きますよね、?深夜ながらに泣いてしまいました……。とっても素敵に物語が動いていて、私の心情が左右しまくっています! (2021年4月11日 23時) (レス) id: ed1d1a00c3 (このIDを非表示/違反報告)
モノモノ(プロフ) - 夜市さん» わざわざ感想ありがとうございます。情景描写の書き方は今でも尚苦戦します。亀更新になりますが、よろしくお願いします。 (2021年4月7日 22時) (レス) id: 995658f693 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - 情景描写や心情の表し方がとても繊細で、素敵な話ですね。お体に触らぬ程度に更新、頑張ってください。 (2021年4月7日 14時) (レス) id: 5befe0aadf (このIDを非表示/違反報告)
モノモノ(プロフ) - 花奏さん» 感想ありがとうございます。明日美ちゃんが可哀想になってきたけど、頑張って更新したいと思います。 (2021年3月10日 8時) (レス) id: 995658f693 (このIDを非表示/違反報告)
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