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51話 ページ8

その後のことは、正直覚えてない。


柱に対して意見を申し立ててしまったこと。


そして、自分の本音を言ってしまったことに、自分自身驚いていた。


これまで自分が心の底で思っていたことが、スラスラ口に出てきたのだ。









そういえば、昔師範が、お館様には敵わない、と言っていたのを思い出した。


あの頃は、こんなにも強い師範が何故、等とバカなことを考えていた。


(でも確かに、あの方には誰も反抗できないだろうな。)


お館様の柔らかな声や思慮深い物腰、優しげな眼差しを思い出しながら、思った。









物思いにふけっていると、バキッという不協和音が聞こえた。


慌てて我に帰ると、霞柱様が小石を弾いていた。


それも、鬼を連れた隊士に、だ。


小石、といえば聞こえは良いが、柱が全力で弾けばかなり痛い。


それを重症の彼に当てるのは、賢明な判断とは言い難い。









「霞柱様、そろそろやめた方が良いのでは?」


「何で止めるんだよ、玲。コイツお館様の話を遮ったんだよ!?」


お館様をとても尊敬している霞柱様は、不機嫌そうに言った。


でも、これに関しては屈するわけにはいかない。


「霞柱様、お気持ちはわかりますが、彼は重症です。早く蝶屋敷に連れて行った方が良い。」


そう告げると、霞柱様はムッとした表情で持っていた小石を地面に置いた。









「わかったけど、玲がそこまで言うからだよ。ソイツのことは許してないから。」


霞柱様は、忌々しげに鬼を連れた隊士を睨みつけた。


すると、そばにいた隠たちがヒイッ、と小さく叫んだ。


こんなんだから、きっと柱たちは隠に怖がられるのだろう。









「あ、蝶屋敷に行って良いですよ。ご苦労様です。」


隠に一言そう告げると、彼らは今度は嬉しそうな表情になった。


ふと鬼を連れていた隊士を見ると、彼と目が合った。


そして、何故か彼はこちらを訝しげに見ていた。

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(プロフ) - こんばんは。お話とても面白いです!!これからも無理せず頑張ってください!! (2022年3月27日 20時) (レス) @page10 id: fb1d41063f (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - Ry osdさん» ありがとうございます、嬉しいです!更新不定期ですが、絶対に完結させます! (2021年2月10日 16時) (レス) id: 457d30fcd7 (このIDを非表示/違反報告)
Ry osd(プロフ) - 読み入ってしまいました。続きがあるのでしたら楽しみにしてます。 (2021年2月7日 18時) (レス) id: d8163f4fc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作成日時:2020年11月10日 21時

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